出版社内容情報
夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて――。280万部超の青春小説『君の膵臓をたべたい』の著者、住野よるの三作目が待望の文庫化!!
内容説明
夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて―。大ベストセラー青春小説『君の膵臓をたべたい』の著者が描く、本当の自分をめぐる物語。
著者等紹介
住野よる[スミノヨル]
高校時代より執筆活動を開始。2015年『君の膵臓をたべたい』でデビュー。同作で2016年「本屋大賞」第2位、Yahoo!検索大賞“小説部門賞”など、数多くの賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルティ
279
学校の、クラスの位置関係、人間関係の微妙な部分の解説、感情表現が素晴らしくて、いじめって一人一人がこういう感情になって積み重なって起きるのか、と思える。夜、化け物の姿のあっちーは優しいのに昼は優しくない。そんな自分が嫌になってしまうのも分かる。矢野さんが誰かに悪いことをするのは美しい自己犠牲。矢野さん自身はそれでいいの?「例えば、僕なら誰から怖がられたら悲しいか、誰から近づきたくないと思われたら、悲しいか。考えてみれば、想像がついた。信じている人だ。その全てじゃなくても、その人のどこかを信じられる人。」2019/04/13
ソルティ
266
再読。主人公あっちーは多様性を認めたいんだけどクラスの同調圧力の中にいることも捨てきれなくて揺れ動く。いじめや不登校ってこんなことで起こるんだろう。恋愛とかじゃなく2人が徐々に距離を縮めていくところがとても暖かい気持ちになる。疑問点が結構ある。笠井が悪い子、という描写が見つけられない。あと、矢野さんと緑川さんの関係。矢野さんの言葉から推測できるがはっきりしない。読んだ人と語り合いたい!「夜の、矢野さんを無視出来ない僕も。昼の、皆から嫌われたくない俺も。どっちも、俺で、僕だ。どっちもいい奴なんかじゃない。」2020/06/05
SJW
150
深夜になると突然に化け物になる「僕」は、忘れた宿題を教室に取りに行くとクラスメイトの矢野さつきと会ってしまう。矢野はクラス全員から無視されいじめを受けていたが、「僕」も仲間でいるために消極的に無視やいじめをしていた。夜の教室で矢野と会っているうちに本当の自分を見つけていくストーリー。最終章では泣けてしまった。いじめで自殺をするニュースが後を絶たないが。最近の学校生活がこれ程ひどいとは思いもよらなかった。2020/02/20
相田うえお
149
★★★☆☆19036 作品の書き出しは、今までの作品とはまた違って随分と抽象的な雰囲気で始まるんだなぁ〜心の中を『ばけもの』に象徴化した作品なのかなぁ〜?なーんて思って読んでたら そうでもなく、もしかしてそのまんま『よるのばけもの』? 本作品、夜、ばけものに変わってしまうというホラー要素をスパイス(というよりも 副菜 くらいか?) にした『いじめ』がメインテーマ。ばけものとの関係性が必要だったのかは、よく分かりませんが、その『ばけもの』と『いじめ』の繋がりが気になり、一気読み!奥の深いところで 謎の作品。2019/04/21
bookkeeper
118
夜になると化け物に変身してしまう中3の安達。いじめにあっている同級生の矢野と深夜の教室で出逢う。 うーん、感想が難しい!特殊な能力を持つ異形になって、クラスの嫌な状況を粉砕する!みたいな爽快感を求めるお話しではない。説明されない空白が沢山あって、それらは読み手が読み解き、想像して埋めないといけない。心が痛んで、辛い読書体験になるかもしれない。だから安易にオススメはできない。でも、ここの文字数制限に納めるのが難しい程、伝えたい思いが溢れるかも。それを話し合える友達や大切な人が周りにいたら、それは幸せだね。2020/06/29