双葉文庫<br> 我が心の底の光

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双葉文庫
我が心の底の光

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575520972
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

母は死に、父は人を殺した――。五歳で伯父夫婦に引き取られた峰岸晄は、中華料理店を手伝いながら豊かさとは無縁の少年時代を過ごしていた。心に鍵をかけ、他者との接触を拒み続ける晄を待ち受けていたのは、学校での陰湿ないじめ。だが唯一、同級生の木下怜菜だけは救いの手を差し伸べようとする。数年後、社会に出た晄は、孤独の中で遂にある計画を実行へと移していく。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた晄。その真っ暗な心の底に差す一筋の光とは!? 衝撃のラストが心を抉る傑作長編。

貫井徳郎[ヌクイ トクロウ]
著・文・その他

内容説明

母は死に、父は人を殺した―。五歳で伯父夫婦に引き取られた峰岸晄は、中華料理店を手伝いながら豊かさとは無縁の少年時代を過ごしていた。心に鍵をかけ、他者との接触を拒み続ける晄を待ち受けていたのは、学校での陰湿ないじめ。だが唯一、同級生の木下怜菜だけは救いの手を差し伸べようとする。数年後、社会に出た晄は、まったき孤独の中で遂にある計画を実行へと移していく。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた晄。その真っ暗な心の底に差す一筋の光とは!?衝撃のラストが心を抉る傑作長編。

著者等紹介

貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。93年、第4回鮎川哲也賞で最終候補作となった『慟哭』でデビュー。2010年、『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のり

129
凄惨なネグレクト被害で生死をさ迷った「晄」。父は母を殺し、叔父夫婦に引き取られたが、幼少の傷は重くのしかかり、希望を持つ拠り所さえない。「晄」自身も悪に手を染める生き方を選ぶ事に…それは心に秘めた思いを遂行する為に…ただ一人「晄」に対して手を差し伸べようとした「怜菜」。あまりにの衝撃のラストに全身から力が抜ける。全てに救いがなく脱力感がハンパない。2019/04/11

ミッフー

120
救いようのない不幸せ😱明日に対し未来も希望もない🥶脳天気な青春映画などとは違い、僕には寧ろこの方が現実的でスッと心に入ってきました👍壮絶な幼少期から自分を支えてくれた女性、そんな人の命より唯一の心の支えであった捨て猫を譲ってくれた従兄弟を優先した晄。常識では考えられぬ事だが、生きる目的が怨みはらす為だけのものであるならばそれもありかも🤔でも一番怨みをはらしたかった相手は、なんと言っても淫売鬼畜である実母なんだろうけど😢子供より己の享楽を優先、これまた悲しき女の性かな🤣人間らしい小説でした👍2019/10/11

あも

109
なんて意地の悪い作家なんだろう。虐待により筆舌に尽くし難い過酷な幼児期を過ごし、親戚に引き取られるも、そこでも召使いのような扱いを受け、学校では虐められる。断るのが面倒だ…と言われるがままに万引きをする『晄』。唯一まともに接してくれるのは幼馴染みの玲奈のみ。全てを諦めたかのように流され闇金やグレーの業界で働く彼が暗闇の中で光を見つけるラストを読者は望まずにはいられない。なのに…。人がいかに他者に勝手な思いを仮託する生き物かを突きつけられるラスト。"読者"という存在を裏切るどんでん返し。後味は悪いがさすが。2019/07/30

NADIA

86
主人公の経験した凄惨な幼少期。母子家庭の母親が幼児であるわが子をごみ屋敷に閉じ込めて遊びまわり数日戻らない生活。実の父親の暴力により母が殺害されて「殺人犯の息子」となった主人公の辿るその後の人生は。淡々と語られる彼の犯罪史。その目的が復讐であることは、物語の中盤過ぎに知らされるのだが、何に対しての復讐なのかはわからず、誰もが予想外の理由であることが最後に明らかになる。全体的に暗く重い場面が続くが、サクサクととても読みやすい。あとがきを読むとその理由に大いに納得させられた。2021/01/15

あすなろ

85
晄の人生のピークは自我が生まれる前に訪れていたのだ。そして死の淵を絶望のなか見て、抗えず仕方ないと思う幼き日々。そんな晄が何のために半生を生きてきたか?何に復讐するために生きてきたのか?それを貫井氏の筆で共に辿る作品。僕は晄の半生について経験として全く分からないことはある種の幸せであり、その一方で全く分かって上げることが出来ない自分自身へのある種の憤りと情けなさというそれら全てを自身の心の部分部分に内包しながら自分自身と向き合い読了したのである。2020/01/25

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