出版社内容情報
小島達矢[コジマ タツヤ]
著・文・その他
内容説明
突然誘拐され、窓のない部屋に閉じ込められたうえ、解かないと脱出できないという難解なゲームをつきつけられた加奈美。一方、いじめを受けている中学生のそらいちは、ひょんなきっかけから姉の部屋に忍び込むことになり、そこで隠しカメラを見つける…。一見、無関係に見えるこの二つの話は、ラストで思わぬかたちで繋がっていく。それはまるで、見方によって違うものが見えてくる錯視「シュレーダーの階段」のようである。「脱出」と「侵入」を描く長編サスペンス!
著者等紹介
小島達矢[コジマタツヤ]
1987年東京都生まれ。東京電機大学工学部第二部卒業。2009年『ベンハムの独楽』で「第五回新潮エンターテインメント大賞」を受賞し、翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スカラベ
47
いくつかの謎を解いて脱出する、リアル脱出ゲームを彷彿とさせる。その問題も、「三目並べ」、「21ゲーム」など、先手必勝、後手必勝の定番のゲーム。これを絶対に負けるはずの順番なのに視点を変えて攻略していく過程は面白く一気読み。解説する図とか絵が差し込まれてるともっと分かりやすかったかも。物語の構成としては今一つなので、物語性を求めるよりクイズを解くのが好きな人にお勧め。正直者と嘘つきのクイズも出てくるが、正解の番号を言う事が許されない中、限られた質問で4桁の暗証番号を答えさせる解には、へぇー10個でした。2018/05/02
きたさん
13
この類の作品が世に多く出るようになってしまったせいで、多少のことでは驚かなくなってしまっていたようです……男子パートのイジメ=拷問描写がつらい、という感想がなにより先に出てしまった。女子パートは、こういう発想の仕方はもしや、と思っていたらその通りだったので、逆にびっくり。女子パートだけなら、結構いろんな人におすすめできるんたけどなぁ。2017/11/04
★Masako★
7
★★+ 突然拉致・監禁され、出題されるゲームを時間内にクリアしないと脱出出来ずに死ぬと聞かされた加奈美。いじめっ子の不良たちに強要されて姉のマンションに侵入することになった中学生のそらいち。姉の部屋で起きる様々な出来事………「脱出」と「侵入」の話が交互に続き、最後は一つに結び付く。「シュレーダーの階段」とは、見方によって違うものが見えてくる錯視の事を言うらしいが、う~ん、そこまで例えられる内容かどうか…。中学生たちのコロコロ変わる感情にも納得出来ないものが(^_^;) サクサク読めましたけどね♪2017/10/21
yamakujira
5
拉致されて監禁された女子高生が解放されるために知能ゲームを強要される。いじめられっ子の男子中学生は粗暴な級友とともに姉の部屋に侵入して姉を襲おうと帰宅を待つ。交互に場面転換しながら進むふたつの物語は、最後につながると言えばつながるけれど、時間も場所もはっきり違うできごとだからタイトルにそぐわないな。被害者と加害者が最後に入れ替わるってくらいの表裏一体の意外性がないと「シュレーダーの階段」じゃないよ。不快な設定は小説だから許すとしても、どちらもラストがお粗末に思えてがっかり。 (★★☆☆☆)2019/06/01
yoko**
3
夏奈美とそらいち、二人の関係は?二つの物語はどう繋がっているのか?気持ちがまあまあ盛りがった割には呆気ない結末でした。 夏奈美が果敢に解いたパズルも完全なる文系脳の私にはチンプンカンプン。図解付きの解説があればもっと楽しめたかもしれない。期待した分、若干消化不良でした。2020/02/23