出版社内容情報
松本清張[マツモト セイチョウ]
著・文・その他
内容説明
証券会社に勤める田島光夫は、英子と結婚した。ほどなくして田島は、英子の実家から、仕事であけた穴の埋め合わせにと言って金を引き出し出奔、結婚前から関係のあった乃理子のアパートに転がり込む。その後、別の愛人ができた田島は乃理子が邪魔になる(「断線」)。完全犯罪を目論む男(「小さな旅館」)や、ある出来事に直面した妻(「二階」)など、犯罪にのぞむ人間の姿を描いた傑作短編集。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)生まれ。50年「西郷札」が懸賞小説に入選。その後、純文学・推理小説・歴史小説・ノンフィクションなど、広範な領域で常に“人間”を見つめ、その本質に迫る作品を発表しつづける。53年芥川賞、57年日本推理作家協会賞、67年吉川英治文学賞、70年菊池寛賞、90年朝日賞などを受賞。92年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
79
半分は既読。松本清張氏の作品を読むと印象に残るのが、利己的で冷酷な男の描写だ。特に頭が切れ、最後まで上手く、立ち回れる男は「こんな男、いるかも…」と思わせる生々しさがあるのだ。そんな松本清張調が堪能できるのが「理由」だ。義憤による復讐を逆手に取る悪党に戦慄。「偽狂人の犯罪」は佯狂によって成り立つ完全犯罪を如何に取り崩して行くかがポイントになっているのが面白い。でもオチに苦笑してしまう。法曹界の人でも人間なんだね〜(笑)2019/11/30
涼
61
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/01/post-04c03f.html さすが松本清張。短編小説にこそ、その真髄が発揮されています。2024/01/28
おいしゃん
43
犯罪者側の視点で進行する短編6編。こんな上手く行くはずない、と言いたくなる部分も多いが、どれも古さを感じず面白く読める。2018/07/21
のぼる
11
書かれてから何十年も経っているが、犯罪に至る人間の心理というのは大きく変わることもなく、今でも十分に楽しめる。 他の作品も読み進めたい。2024/07/30
グラスホッパー
5
何回読んでもおもしろい。2024/11/04