出版社内容情報
田丸雅智[タマルマサトモ]
著・文・その他
内容説明
久しぶりに再会した古い友人に連れられて入ったのは、とあるシガーバー。店員に渡された葉巻を口にすると、子どもの頃の光景が鮮やかによみがえった。この不思議な葉巻を、友人は「夢巻」というのだが―。(表題作)新世代ショートショートの旗手による大注目デビュー作。幻想的だったり、シュールだったり、ナンセンスだったり。一話5分で楽しめる、夢と驚きに満ちた世界がここに!
著者等紹介
田丸雅智[タマルマサトモ]
1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。2011年12月『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。2012年3月には、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
170
田丸さん、過去に三作品を読了してますが、四作目に手にとって読んだのは、田丸さんのデビュー作。デビュー作のせいなのか、オチが弱いというか粗削りという気もしない気が…。と思いつつも楽しく読めました。田丸さんの作品と波長があうようです。よくアイデアが浮かぶなと関心しちゃいました。小説を読んで疲れた時に、手持ちぶさたの時に、すきま時間の時に、田丸さんのショートショートを読むと、ゆるく息抜きできて良いですね。田丸さんの作品、どんどん追いかけていきたいと思います。2021/10/06
Tetchy
123
ショートショートの歴史は受け継がれる。星新一氏の後継者江坂遊氏の後継者がこの田丸雅智氏だ。田丸作品の特徴は一人称叙述が多いことだ。本書20作品中3作品しか三人称叙述がない。これは非常に多いと感じる。星作品が非常にドライな三人称叙述で書かれていることを考えると、田丸氏の作品は少し現実から外れた奇妙な世界を主観的に体験することをテーマに添えているように思える。本書のお気に入りは「妻の力」や「岬守り」が印象に残ったが、やはり表題作をベストに挙げよう。まだまだ駆け出しと云ったところだが、今後に期待したい。2018/03/27
かみぶくろ
98
田丸さんのデビュー作品集。次作の「海色の瓶」は一定の方法論に従ってきちきちと作られた感があったが、デビュー作のこちらの方が自由で開放感がある。バリエーションも多彩だ。欲を言えば、もう少しブラックなものや、社会風刺的なものも読みたいかなあ。基本的に温かかったり淡いものが多く、それはそれで良いのだけど、刺激が欲しいと脳のどこかに要求されていて。2019/03/24
takaC
63
一話平均12ページくらいなのに読めないページ(ブランクページ)と読まないページ(題名ページ)が合計30ページ強(二話分)ありもったいない。2017/10/24
neimu
40
初読みの作家さん。以前から題名は気になっていた。ああ、これはショートショートだとすぐにわかった。作品の温度差が大きく、どれも全て好みとは言えないけれど、粗削りな新鮮さは嫌いじゃない。若かりし頃大好きだった星新一に繋がる思い出が甦るからだ。後書きも初々しくて良かった。素直だなと。解説がいけなかった。今時の有名人に書かせた方が若い子に受けると思ったのだろうか。何が言いたいのか、ガキの悪ふざけでしかないような駄文に読後感がぶち壊し。こんな本手に取るんじゃなかったと思えるくらい、うんざりした。2023/03/01