出版社内容情報
原 宏一[ハラ コウイチ]
著・文・その他
内容説明
念願かなって神楽坂でカフェを始めたマリエ。だが店はすぐに行きづまり、路上を彷徨っていたところを謎の中年男に助けられる。この「誇り高き宿無し」であるヤッさんは、築地市場や料理店を駆け回り、食の達人として関係者の相談に乗っているという。時には啖呵を飛ばし、時には悩む背中を押すヤッさんに、人はなぜ惹かれるのか?マリエは弟子入りし、新たな道を探っていく。大好評ユーモア人情小説の第二弾!
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年長野県生まれ。茨城県育ち。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。書店員の熱心な応援により、2001年に文庫化された『床下仙人』が、07年にベストセラーに。同書は2007年啓文堂書店おすすめ文庫大賞にも選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
128
今回も飲食店をめぐる事件を鮮やかにヤッさんが解決してくれる。最近問題となったグルメサイトを利用して飲食店をくいものにする 人達の話など興味深い作品が多かった。でもマリエさんの惚れっぽさは如何なものかと思ってしまう。2017/12/07
ふじさん
89
神楽坂でカフェを始めたが行き詰まり、彷徨していたマリエは、路上で「誇り高き宿無し」のヤッさんに出会う。マリエはヤッさんに弟子入りし、築地市場や料理店を一緒に回ることで、新たな道を探すことになる。鮨多田父子の揉め事、蕎麦屋の行列騒ぎ、真鯛名人の失踪事件等、に振り回される日々が続くが、その中でノルウェー人の料理人のヨナスと偶然出会い、遂には結婚をし、ヤッさんやその仲間たちの力添えで、店を再建することになる。まさに、ヤッさんの人柄が存分に発揮されたほのぼのとしたマリエの人生再生のドラマ。 2022/01/14
hnzwd
75
築地、銀座、神楽坂、、、東京を中心に人柄と人脈でトラブルを解決、身体一つで生きている主人公「ヤッさん」。もともと料理人だった経歴を持つだけに、食に纏わるトラブルを解決することが多く、色々な店で振舞われる料理や賄いが美味しそう。。登場人物も料理も上品、というよりは下町気質があるのかなー。新キャラであるマリエにはヤキモキさせられる部分もあるんですが、、最後はきっちり大団円。続編ありそうな感じです。2016/02/11
takaC
74
タイトルが『ヤッさんII』になって「神楽坂のマリエ」が副題に格下げになっちゃったということは、主人公はヤッさんなのね。そう考えるとⅠほど面白くないな。(そう考えなくてもだけど)2015/11/08
再び読書
70
あっいう間に読了出来ました。ヤッさんは面白い。今回はマリエが主人公で、食べ物屋に纏わるエピソードから大団円に繋がる。食通のホームレスヤッさんの食に対する知識が半端無いと思っていたら、やはりそれなりの過去があったのですね!最後は少し出来過ぎ感もありますが、フィクションなので良いですね。江戸前の寿司を頑なに守る親父と新しい寿司に挑戦する息子への説教も理が通っていて納得する。また、「しまなみ鯛」に対する肯定から入り、考えさせる手法もなかなか手が込んでいる。Ⅲも楽しみです!2018/04/24