内容説明
西田りかは、上司の柏木荘太に惹かれ、不倫関係になった。それを知った荘太の妻、美津子はりかに接近し、見合い話を持ちかける。相手に選んだのは一人娘の美羽が兄と慕い、家族ぐるみのつき合いをしている落合圭一だったが、思惑は一人歩きを始め、それぞれの思いは変化し、その先には予想もしない展開が―。愛憎、嫉妬、プライド。女たちの内面を艶やかにリアルに描く、傑作情愛群像。
著者等紹介
岡部えつ[オカベエツ]
1964年、大阪府生まれ。群馬県育ち。2008年に第3回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞し、翌年に受賞作を表題とした短編集『枯骨の恋』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えりこんぐ
72
岡部えつさん初読み。不倫をする男女、夫の不倫相手にお見合い話を持ちかける妻...その他諸々、入り乱れてのドロドロ劇で面白かった笑 諸悪の根源は荘太だよね。この人はもう病気としか思えない。2019/02/15
じいじ
53
「残花繚乱」の表題に興味あって衝動買い。岡部えつはアンソロジーの「果てる」で短篇を読み、気になっていた作家だった。一組の中年夫婦と30代三人の女性を軸に物語は展開する。表題通り、登場人物が複雑に絡み合って、愛の花が咲く。時々、共感・感動はできないが、小説としては面白い、という本に出会うことがある。本作はまさにそれだ。三者三様のキャラの違いがうまく描かれている。随所に女の本音と建前が垣間見えるのも面白い。濡れ場を描かずに、不倫、浮気のストーリーをこれだけおもしろ楽しく仕上げる岡部えつは、今後も注目したい。2015/06/09
しょーくん@本棚再編中
53
★★★★★★☆☆☆☆ドラマ化きっかけで読んでみました。複雑に絡み合った大人の女性の群像劇でした。女の怖さを存分に味わえました。ドラマを最初から見ておけばよかったと思いました。2015/02/15
抹茶モナカ
41
「よく書けてるなぁ。」と思う部分と、『繚乱』というより人間関係の密度が濃すぎるだけだろうと思う部分と、不思議な小説。美羽という少女にだって、最終章で映画の役柄とは言え、近親相姦のシーンが予告されているので、肉体関係の連鎖は徹底している。中年については、よく書けている、と思いました。2014/12/29
fwhd8325
34
病院の検査待ちの間にさくっと読みました。私には、関わり合うこともありませんが、女の世界は、立ち入りたくない。2018/03/03