内容説明
「飛行機を作るキャプテンになってよ」中学2年生のぼくは、転校早々、同級生に人力飛行機作りに誘われた。「ライオン」というあだ名の知的障害のある小学生の希望を、ライオンの兄や仲間が叶えようとしているのだ。不安だった東京での生活は胸の高鳴る日々になった。だが、まさかの事態が…。タイトルの意味が現れる感動のラストは、切なくも温かい。何気ないやりとりにも懐かしさの詰まった、傑作タイムカプセル小説。
著者等紹介
大山尚利[オオヤマナオトシ]
1974年、東京都生まれ。2005年『チューイングボーン』で第12回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ウィズ
15
凄い感動的な青春追憶小説です。ただ自分が中年にさしかかったせいか、こんな気持ちの優しい大人ばかりいるはずねぇよ!!とダークなツッコミをしている自分がいた。年とるごとに穢れていく気がする。2014/10/12
yummyrin
3
大山作品は初よみ、泣けました。自分の周りに是非勧めたいと思った。「スタンドバイミー」風。人生の先が見通せる時期に過去を追憶することになり話が進む。こどもの頃、他愛のない言い争い。懐かしいという思いを強くさせる。ライオンの無垢な気持ちが感動をよぶのだろう。他の大山作品も読みたい。2015/03/11
Hideo Itoh
3
本当のともだちってなんだろうということを、しみじみ考えさせてくれた良質な1冊。友のために命を投げ出せますかというのは大げさにしても、殴られようとしている友のために、かわりに頬を差し出すことができるという感じなのかなぁと思うと、わたしは「ともだち」を作り損ねた子だったんだなと、この歳になって反省しきり。この「本当のともだち」をうまく作れないというのは、おとなになってからも、そして今も続いていて、Facebookの友達はずいぶん増えたけど「本当の」とは言い難い。そんな人にならないよう中学生に是非読んでほしい。2014/07/04
マルス
1
<オビのコピー>ああ、自分もこんな体験したかったと、羨ましくなってしまう、極上の少年時代がここにあるのだ。感動のラストは“せつ泣き”……傑作ノスタルジック小説!2014/07/08