内容説明
父の蒸発。女手ひとつで息子2人を育てた母。そんな両親のもとで育ったジローは若くして結婚し3人の娘に恵まれた。必死で働いた。蒸発した父が戻ってきた折には世話もした。娘3人が成人した今、ジローは酒場でふと思う。「俺の人生はどんなだったのだろうか」。父と息子の関係を軸に家族とはを綴る酒場エッセイの名手による処女小説。
著者等紹介
大竹聡[オオタケサトシ]
1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学第二文学部を卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーライターに。02年10月、仲間とともに酒飲み人生謳歌マガジン『酒とつまみ』創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TSUBASA
11
戦後貧しい中で突如姿を消した父。父の死から十年あまりが経って自らの娘も自分の手を離れていき、改めて父が居た日々を、父が蒸発したせいで苦労した日々を回顧する。著者は誰かと思ったら『ぜんぜん酔ってません』の人でした。未読だけど。本書はと言うとひどくつまらんかった。1章は酒場で出会った客に語りかける形式だったけどあとはずっと独り語り。だからこそ来し方を振り返って、ある事実に気づいた時しんみりするのかもしれないけど、どうにもなじめなかった。2015/01/20
かもめ
10
「酒とつまみ」の元編集長で、「ホッピーマラソン」など楽しい企画や呑兵衛エッセイでお馴染みの著者の私小説。亡父に関してかなり重苦しい経験があったようで、イメージが変わってしまった。著者にはもう少し肝臓を大事にして欲しいと思う。2021/09/09
HoppyMojo
0
大竹さんの本で、笑いではなく、しんみりしたのは初めてだ。2014/06/03