内容説明
七年前に行方不明となった少女の遺留品が発見された。生存が絶望視される中で、少女の父親、井狩治夫の執念が実った格好だ。だが、井狩の自宅に呼び出された県警捜査一課の都筑は、情報をもたらした興信所調査員、梅崎を紹介された瞬間、確信する。ガセだ。報奨金目当てだ。つまり、こいつは自分と同類だ、と。都筑はかつて似たような手口で井狩から報奨金を騙しとった過去があった。やむを得ず手を結んだ二人だが、数日後、梅崎が死体で発見される。いったい梅崎はなにを掴んでいたのか?都筑はその死までの足取りを追うが…。「このミステリーがすごい!」ランクインの傑作警察小説。
著者等紹介
香納諒一[カノウリョウイチ]
1963年横浜市生まれ。早稲田大学卒業。出版社勤務の傍ら、91年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞し、92年『時よ夜の海に瞑れ』で長編デビュー。本格派ハードボイルド作家として注目を集め、99年『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
269
初読み作家さん。タイトルが秀逸。登場人物やサブテーマが多すぎて、そのへんが読みにくかった。事件の真相解決も少々ご都合主義的な...でもこういうちょっとだらしない主人公、嫌いになれない。2017/06/13
tellme
30
初読み作家さん。はじめは読みづらいと思ったけど、だんだん引き込まれた。ダメな奴だが熱い奴、気になってしまう。タイトルが良かった。2023/01/22
かつやん
22
ラストは、ハラハラした!幾つかの事件がどう繋がるか興味をそそられたが…まーこんなもんだろう。 でも、これがハードボイルドという本なんだろうけど、少し何かが足りないような気がした…2017/10/10
モリス
22
【11-09】ハードボイルド&アウトロー刑事もの。有能だが単独捜査を好む主人公、行方不明の娘を待ち続ける父、粋なやくざ、理解ある上司と、魅力的で濃いキャラクターが揃っている。そして複数の事件と未解決事件の調理の仕方が素晴らしい。ドミノ倒し式に解決される作品も爽快ですが、この作品のようなタイプもいいですね。主人公の過去の傷に対する不安や葛藤などもバランス良く盛り込まれており、最後まで愉しめました。中間管理職の理想みたいな上司の小池が素敵すぎ!強くて繊細な優しさを併せ持つ小池の物語を是非読んでみたい。2016/10/09
きたさん
15
主人公の刑事にまつわる表現がどうにも偽悪者っぽすぎて苦手、と思っていたまま終わってしまった。好意を寄せる女性とのシーンも、時代錯誤的なニュアンスを感じてしまって個人的に残念。まあ私はそもそもこの作品のターゲット層に入っていないのだろうと理解してはいるのですが。プロット自体はちょっと風呂敷広げ過ぎじゃない?と思うところもあるものの、それなりに綺麗にまとまっていたと感じました。2018/12/25