双葉文庫
誉れあれ―札幌方面中央警察署南支署

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  • サイズ 文庫判/ページ数 484p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784575515114
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

日頃から反目し合う二つの警察署、中央署と南支署。ある日、未解決事件を調べていた南支署の新米巡査が、犯人グループに拉致された。危ういところを助けだされるが、その後、真相に蓋をするような圧力が中央署からかかる。そんな中、中央署の刑事のエスだと噂される男がベレッタを持って南支署に自首してきた。しかし、男は何故か「自首を揉み消さない」という念書を書かない限り、証言はしないと言いだし黙秘する。中央署でいったい何が起こっているのか?身内の犯罪を暴くため、支署の刑事たちは深く静かに捜査を開始する―。

著者等紹介

東直己[アズマナオミ]
1956年札幌生まれ。北海道大学文学部哲学科中退。ススキノでその日暮らしの一方、土木作業員、トラック助手、調査員、ポスター貼り、タウン雑誌編集者などを経て、92年『探偵はバーにいる』でデビュー。2001年『残光』で第54回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

43
もうほとんどファンタジーと言うか、ありえない設定ながら、ロマンを感じます。佐々木譲さんの話を読んでも、北海道警ってどうなっているのか心配になるけど、さすがにキタとここまで強力することはないでしょう。それに対する善警構想、こんな話があってもいいですね。ただ、ちょっと読みにくかったかな。2014/02/11

hanchyan@理解はできないが否定もしない

25
気分だけでも札幌へ避暑に(笑)。今回は「なぜひとは警察小説にハマルのか?」的なことを考察。つまるところ我々は“正義が履行される場面に飢えている”のではないか、と言う結論(執行じゃなくて履行、この感覚は案外重要だぞ)。「お仕事小説」の一種として読んだ場合、アレコレの苦難を乗り越えて履行される正義に我が身を投影して溜飲を下げるという。もちろんノワールとしての警察小説の傑作も多く正義が挫折して終わるはなしも多いのだが、その場合SW「帝国の逆襲」のように、臥薪嘗胆しつつ別な警察小説を探して捲土重来、みたいな。2015/08/16

みすまりも

12
設定が面白いし、他にはない感じの警察モノに仕上がっているのだけど、語り手も舞台もくるくる変わるので読みづらかったのがなんとも惜しい。シリーズにしても面白いだろうけど、次回作は最後まで梅津目線を希望。2013/09/10

MIEKKO

10
探偵シリーズの著者による警察小説。北海道警察をよく知り、深い不信感を持っている著者だから、扱われている背景は陰惨でおぞましい慣行もさらっと描かれている。だからこそ南支署という「善い警察」という「夢」を見せてくれる存在を描きたかったんだろうな。これは著者の中ではファンタジーなんだろう。冷静なキャリア。朴訥とした自分の仕事を全うするノンキャリア。純粋な若手。そしていい味を出している民間の協力者。キャラがたっていた。特に張り込みに住まいを提供してくれたおじいちゃんがつぼにはまって面白かった。2012/08/22

sken

8
役所とか組織といったものに対して、基本的に信頼しないというスタンスの作者さんが、あえて警察を舞台にした作品を書いたということで、最初は違和感をもって読み始めたんですが、すぐに納得。この作品の舞台は警察のなかでも異質な存在の警官を主人公としておりましたぃ。腐敗の温床である他の警察に対して、本来あるべき姿である国と国民を守るという“善なる警察”が、圧倒的に微力な立場ながらも職務を全うするために身体を張るという物語はファンタジーではありますが、迫力ある作品に感じられました。続編もあるようなので期待しております。2013/05/11

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