出版社内容情報
大泉洋主演で話題の映画『探偵はBARにいる』の原作者が、同じくススキノを舞台にして、ちょっぴり生意気な高校生の活躍を描いた『ススキノ・ハーフボイルド』の続篇。タフではない。クールでもない。だが、若さが溢れるナイーブなハードボイルド。
内容説明
俺は松井省吾。北海道で最も偏差値の低い、道央学院国際グローバル大学(通称・グロ大)の1年生だ。北大受験に失敗し、半ば自棄になったせいだが、周りはやっぱりバカばっかり。ため息と自己嫌悪に暮れる毎日だ。―そんな最悪な日々を送る俺はある日、グロ大の学生がヤクザにリンチされている現場に遭遇してしまう。交番に駆けこみ訴えるが、警官は取り合わず、それどころか俺自身が公務執行妨害と傷害の現行犯で逮捕されてしまう…。「ハーフボイルド」シリーズ第2弾。
著者等紹介
東直己[アズマナオミ]
1956年札幌生まれ。北海道大学文学部哲学科中退。ススキノでその日暮らしの一方、土木作業員、トラック助手、調査員、ポスター貼り、タウン雑誌編集者などを経て、92年『探偵はバーにいる』でデビュー。2001年『残光』で第54回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
19
『ススキノ、ハーフボイルド』の続編。 でも、白麻スーツの便利屋〈俺〉がかなり出張って事件を解決しちゃうから、「ススキノ探偵」シリーズの1作品でも違和感なしです。 それより、主人公・松井省吾くんの変貌ぶりにびっくり! あんなに上から目線で、恥ずかしいくらい自信たっぷりだったのに(笑) まさかの北大受験失敗で茫然自失、自己憐憫自己嫌悪でぐるぐる(笑) そんな彼の、事件を通しての成長ものとして楽しめました♪ 事件自体は単行本時のタイトル『後ろ傷』がぴったりで、やりきれないものでしたね。 2012/06/04
HiroshiKzk
14
まぁ面白くはありましたが、正にススキノ探偵シリーズの〝俺〟があってのこちらの話って感じかな。2018/09/26
chinayo
7
軽いライトノベルのような語りが続いていくのかと思いきや、後半から学生運動や、ウクライナ、ソ連の国際問題がでてきたり、色々話題が飛び散ってしまい、いったい何を伝えたいのかわからなくなってしまった。2017/01/17
tnyak
5
松井省吾のキャンパスライフと彼の周りで起こる騒動を 記した作品。便利屋や高田、ケラーなど、ススキノ探偵シリーズのメンバーも登場。なかなか面白かった。 2024/07/15
ぱるしむ
5
シリーズなのか、ススキノハーフボイルドの続き。前作では進学校に通う秀才でススキノで飲み歩いてホステスのヒモのような生活をしていたいけ好かない主人公であるが、本作では受験に失敗してうじうじするダメ人間として描かれる。便利屋を突然デブにした嗜虐的なクセなのだろうか。2018/02/17