内容説明
俺は松井省吾。高校3年の受験生だ。夜のススキノで働く素敵な恋人もいるし、客引きのアキラさんなど友人も増え、最近ようやくススキノが“自分の街”になってきたところだ。―夏休みに入ったばかりのある日、クラスメイトの勝呂麗奈が覚醒剤使用で警察に捕まった。暴力団の組長である男と一緒だったらしい。なんとか助けだそうと騒ぐクラスのお節介女子たちの活動に、俺はむりやり巻き込まれ…。青春ユーモア・ハードボイルドの傑作、待望の新装版。
著者等紹介
東直己[アズマナオミ]
1956年札幌生まれ。北海道大学文学部哲学科中退。ススキノでその日暮らしの一方、土木作業員、トラック助手、調査員、ポスター貼り、タウン雑誌編集者などを経て、92年『探偵はバーにいる』でデビュー。2001年『残光』で第54回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hanchyan@ふむ……いちりある
31
♪そこに〜人がいなくちゃ〜街は〜空虚な箱さ〜♪ というわけでハーフボイルドです。たいして勉強せんでも成績が良くススキノでは大人たちに可愛がられ、あまつさえ年上の美女に愛される高三男子受験生。ズバリ、ファンタジーだ(笑)。ま、そもそも本作のスピンオフ元の〈俺〉が、ススキノというネバーランドを舞台にしたファンタジー(と個人的には読み解いてる)なんだけど、本作での〈俺〉はピーターパン感増し増し。白麻のダブルのスーツを着たデブのピーターパンな(笑) 2022/04/17
HiroshiKzk
17
うーむ(−_−;)やっぱりススキノシリーズの方がいいな!まぁこれはこれで(笑)2018/08/08
あいすけ
8
まさしくハーフボイルドです 省吾くんが大人になったらハードボイルドな男子に育つのかな~なんて思いました2012/12/19
やす
7
探偵シリーズのサイドストーリー。探偵さんの息子の話。探偵シリーズと同じ話を一人称を息子にして描いたもの。息子らしく酒は嗜むが喧嘩は弱い。探偵よりもメルヘンチックであるが、普通の高校生より若干おとな。大人たちに翻弄されながらも矜持を保ちたい志はあるが道半ばな感じ。ピュアでもなくダーティーでもなくハーフアンドハーフ。ススキノの風に漂う高校生の話。(いやはや、それこそメルヘンだな)2012/08/09
w_h_o
7
森野の結末がこんなとは。真麻の趣味がこんなとは。はぁ。2011/12/24