内容説明
別れた妻が再婚して以来、15年も会わなかった一人娘から突然連絡が入る。訪ねてきた娘は結婚することを報告し、式には呼べないことを謝るが…「いちばん新しい思い出」など、8編の心打つ家族模様。
著者等紹介
森浩美[モリヒロミ]
放送作家を経て、1983年より作詞家。現在までの作品総数は700曲を超え、荻野目洋子『Dance Beatは夜明けまで』、森川由加里『SHOW ME』、田原俊彦『抱きしめてTONIGHT』、SMAP『SHAKE』『青いイナズマ』、KinKi Kids『愛されるより愛したい』、ブラックビスケッツ『スタミナ』『タイミング』など数多くのヒット曲を手がける。06年、初の短編小説集『家族の言い訳』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫 綺
111
単行本にて読了。家族シリーズ第三弾。どこにでもある小さな幸せや小さな悲しみ、小さな感動、小さな思いやり・・・普段ならどうってことないことでも、自分の境遇と重なれば愛おしいもの。そんな家族愛の短編集8編。「いちばん新しい思い出」「黒たまご」「桜散らず」に涙がにじむ。2015/05/15
あつひめ
91
家族って何だろうなぁ…。と改めて考えるきっかけになるのがこの家族小説短編シリーズ。人の数だけ家族や夫婦、親子の形がある。実生活でも、羨ましくなる家族がたくさんあるが、外からではわからない不平不満や悲しみ、逆にとても小さな幸福もあるのかもしれない。当人でなければわからないことがたくさんある。時折、小説は、はっとするようなことに気づかせてくれる。それは、今、自分がそこそこ平和な家庭に過ごしているんだなぁってこと。2015/07/13
chimako
78
作者があとがきで言っているように、人にも家族にもそれぞれの物語があって、その家族にしかわからない事情もある。それが、自分の場所であり、寄りどころとなる。母がいて、父がいて、子どもたちがいる。父はいないけれど母が守り抜いていくれる。離れていた父ともう一度会う。働く。年を重ねる。老いる。看取る。誰もが通るけれど、自分だけの家族だけの道がある。家族になるのも家族をやめるのも難しい。親も子も選べないが多分必然。子であることの幸せと親であることの幸せを思った。2015/07/11
菜穂子
63
字が大きくて読みやすい短編、8家族のそれぞれの家族模様は読む者の立ち位置で味わい方も違ってくる。離婚後関わりの無かった娘から連絡と言ったら多分あれだろう。手紙に絡めて娘を持つお父さんに世代にはうるっと来るだろうけど、そのシチュエーションだけを取り上げれば温かい話だけれど、ちょっと物足りないかも。年頃の娘のデートに絡めて自身の初恋を描いた話が良かった。2021/11/13
Smileえっちゃん
61
8篇からなる短編集。優しい文章でどの作品も良かったです。別れた妻の再婚以来、15年も会っていない一人娘が、結婚する事を報告に訪ねてくる。会わない間の娘への思い、子供頃の父への気持ちが伝わって来て思わず涙が・・・「いちばん新しい思い出」 「夜の鯉のぼり」母が息子に寄せる思い、その息子が自分の息子に寄せる思いが伝わって来ました。家族ってなんだろう~当たり前のように過ごしていく日々が本当に当たり前なのか。例えどんな状況にあっても、今自分があることの有り難さを優しく教えて貰った気がします。2022/09/08