出版社内容情報
老人世帯で連続する失火による火災。住人は、「不幸な偶然が重なって」焼死。不審に思った若手消防士・大山雄大が調査を開始するが、その先には、孤独な魂を持つ者同士の哀しい連帯感があった……。閉塞感に満ちた社会の問題に雄大はどう立ち向かうのか? 大好評消防シリーズ第2弾!
内容説明
老人世帯でつづく不可解な火事。住人は“不幸な偶然が重なって”焼死した。調査を始めた若手消防士・大山雄大は、老人たちの哀しい過去と、裏で糸を引く意外な人物を突き止めるが…。雄大の胸のすくような活躍が閉塞した世の中に風穴を開ける、人気シリーズ第2弾。
著者等紹介
日明恩[タチモリメグミ]
神奈川県生まれ。日本女子大学卒業。2002年『それでも、警官は微笑う』で第25回メフィスト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
68
前作の鎮火報を読んでからだいぶ間が空いてしまったので、前作の内容を忘れてしまっていて残念でした。しかし、分厚いし内容もぎっしり詰め込んでくれているのに、物凄く親しみやすくて読みやすいのでスラスラ読めてしまうところは前作と変わらずで助かりました。消防士さんが主役ってありそうでなかなかないので貴重な作品で、これからもシリーズがずっと続きますように。今回はお年寄りから少年まで登場人物が幅広かったのもグッドです!2011/06/23
kei302
59
ひきこもりの中年 守の正体を知っている人、教えてください。雄大の仕事よりも気になって気になって、でも、判らないらないまま幾霜月。守(楠目守)の謎。有名な人みたいなんだけど。11月にシリーズ新作が出るのでおさらい。Fire's Outシリーズ:鎮火報 埋み火 啓火心。故意に火災を起こして命を絶つ。知恵をつけていたのは…。2021/09/26
はつばあば
57
軽いつもりで消防士になった雄大も、自分の命、人の命を守る為に非番の日でも地域の身守りに精を出す。誰しも老いに突入するのは避けられない。核家族の今、高齢者の一人住まいもしくは夫婦だけの家が多い。親子であれ御近所さんであれ素直に手助けを求めればいいのに、プライドが邪魔をする。(ましてや娘などに「おかんも年やし・・」なんて云わない。察しろよと^_^;)。それは兎も角、軽いノリの中に人生における大切なもの、命、友情、平凡・・。語彙の少ないヤンキーな雄大と祐二に惹かれるのは守と裕孝だけではない。私も次巻の文庫を待つ2015/08/30
GAKU
55
消防士大山雄大を主人公とする、シリーズ第2作目。一戸建て老人宅で続けて火災が発生。真相は中盤以降には明らかになるが、そちらよりも雄大と彼を取り巻く人達との関わり合いが今回の物語のメインと感じられた。雄大と親友の裕二。雄大と母。雄大と少年裕孝、雄大と年上の後輩。雄大と老女。煩わしい事や、腹が立つ事とか色々あるが、人と人の関わり合いって結局は良いなと、ホロッとさせられる描写が多々あった。このような描き方、作家の日明さんは巧いですね。2020/12/10
しょこ
40
守は?守はどうなっちゃったの??とそこが気になりながらの読書。最後の最後まで引っ張られたー(;´∀`)そして謎は深まるばかり。笑。と書きつつも、本作も読みごたえあり。新たな消防ネタや、老人宅の連続火災事件もありながら、様々な"親子"の姿が描かれていた。人の評価や価値観の中で、自分の大切なものをどう見つけ、どう生きていくのか。誰かと生きていく中での会話、コミュニケーションの大切さも語られいた。今作では、民子さんと裕二に心が掴まれました(*´▽`*)解説より、他作とのリンクありとのこと。読むー☆2020/07/04