内容説明
私立名門高校で、女子生徒の退学が続出。新米教師の笑子は、その裏に彼女たちの弱みを握った教師“X”の存在があることを聞かされる。“X”をどうしても見つけ出したいという生徒グループと調査に乗り出した笑子。そこで明らかになる、驚くべき事実とは…。ほろ苦い青春ミステリーの傑作。
著者等紹介
青井夏海[アオイナツミ]
千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、2001年、野球ミステリー『スタジアム虹の事件簿』でデビュー。助産師探偵シリーズの『赤ちゃんをさがせ』はテレビドラマ化され、好評を博した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nemuro
41
『スタジアム 虹の事件簿』(昨年11月読了)を“しりとり読書”123冊目に選んだことが契機の青井夏海。更に『陽だまりの迷宮』(昨年12月読了)を経ての3冊目。2013年12月「フジヤ書店イオン北見店」での購入。「私立名門高校で起こった連続恐喝事件を探る生徒グループと新米教師・笑子がたどり着いた驚くべき真相とは」。気付けば、頭の中には昨年秋に放送の「素晴らしき哉、先生」(テレ朝系/主演・生田絵梨花)や「宙わたる教室」(NHK/主演・窪田正孝)での教室・職員室の風景を思い浮かべながら。うむっ、これも悪くない。2025/01/12
したっぱ店員
37
ハードなのを読んだのでほのぼのしたくて手に取ったが、いつもよりだいぶダークな始まりに戸惑う。悪徳教師をあぶりだすべく結成される高校生探偵団(+女教師)がなかなかいい子たちで、このあたりは面目躍如という感じで読むペースもあがった。最後はちょっと詰めが甘いような気もしたけど、一番厳しい状況にある恭二のセリフがよかったのでまずまず満足しての読了。2014/10/12
naminnie
10
マイナー本でしたね。お借りしました♪あっという間に読めて、非情にテンポが良かったです。犯人が誰なのか結構ワクワクと考えられたのが良かった。もちょっと先まで知りたかった。2010/11/08
yamakujira
9
名門高校に通う楓が突然にアメリカに留学して、恭二は記憶を失う。楓が教師に脅されていたことを聞いた同級生たちは、新任の女教師を仲間にして、他の女生徒も退学に追いこんだ教師Xが誰かを探る。楓の復学と恭二の回復を願って行動する一樹や千佳たちの友情と正義感に、熱い思いがたぎる青春小説にも見えるね。彼らの努力を裏切るようなラストの楓の言動が、痛快なようでいて切ない。過去を清算したいプライドの仮面が、恭二の言葉で揺れる感情が浮いて、決して弱い被害者でない自分を演出する楓の懊悩が伝わるようだった。 (★★★☆☆)2017/12/29
あつ子🐈⬛
8
再読。お嬢様学校で起こった連続恐喝事件。主人公の新米女性教師は、生徒たちと手を組んで事件解明に乗り出すが─。当時ライトな学園ミステリかなと思って買ったら、教育問題、ジェンダー、エゴイズム等いろんな要素が含まれていていろいろ違ったな…と。謎の脅迫者"X"が教師の風上にも置けないクズで、十代なんて教師次第で人生台無しになっちゃう子もいるのだから、先生方にはしっかりしていただきたいものですッ!…興奮してしまいました。ほろ苦いラストが予定調和でなくて私は好きです。2022/02/10