双葉文庫
松本清張映画化作品集〈2〉鬼畜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 372p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575512069
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

鬼畜…鬼と畜生。転じて残酷な行いをする者。―印刷所を営む男の愛人が、3人の子供を残して姿を消した。妻に子供を始末するように言われ、次第に追い詰められていく男の姿をリアルに描く犯罪小説「鬼畜」、ある体験が新しい犯罪を生む過程を精妙に描いた心理サスペンス「潜在光景」など、映画化・傑作ミステリー作品集の第2弾。

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)生まれ。50年「西郷札」が懸賞小説に入選。その後、純文学・推理小説・歴史小説・ノンフィクションなど、広範な領域で常に“人間”を見つめ、その本質に迫る作品を発表しつづける。53年芥川賞、57年日本推理作家協会賞、67年吉川英治文学賞、70年菊池寛賞、90年朝日賞などを受賞。92年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミッフー

98
5つの保身がもたらす鬼畜的犯罪物語の短編集📖1話の潜在光景は昨年読んだ影の車にも掲載されており、ちょっと勿体なかった😅しかし残り4話はどれも面白い❗️特に感情移入出来たのは、この中で一番長編の寒流✨銀行支店長が融資先小料理屋女将と不倫関係になるも、同期である常務に彼女寝取られた上に左遷人事を😭何とか復讐企むも何事においても上手常務にしてやられ、最後にやっと仕打ちを👍かと言って自分が浮かばれる訳ではないが、肉を切らせて骨を断つ🤩まさに今置かれた居場所ない僕の思いを代わりに遂げてくれた傑作でした🥰2020/02/07

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63
🌟🌟🌟🌟🌟。(ややオマケ🌟4.5)何十年も家の中に放置されていた遺跡。松本清張は読んだ事がなかったので「今更、松本清張かよ。」と無視していた。ある日、ふと「ちょっとかじって不味かったら捨てちゃおう。」と思い『潜在光景』を読んでみたところ、コレがスルスルと読めてしまい、しかも面白かった。後はもう故松本清張の放ったクモの糸に絡め取られたまま全部読んでしまった。松本清張に対する固定概念、先入観、思い込み等、それらの意識がこんなにも損をするものなのか、という事を俺は松本清張から教わったような気がした。2021/08/06

鍵ちゃん

47
鬼畜…鬼と畜生。転じて残酷な行いをする者。印刷所を営む男の愛人が、3人の子どもを残して姿を消した。妻に子どもを始末するように言われ、次第に追い詰められていく男の姿をリアルに描く。など全5篇からなる短編集。例えば「鬼畜亅「顔亅にしても50ページぐらいの作品が2時間ドラマや映画になるほど一つ一つが濃く面白い。特に「寒流亅は面白かった。さすがこの作家さんは凄いですね。そして、昔男はすぐに愛人を作るところが情けない。2024/02/15

chiru

42
昔の作品だけど、この本の問題提起は現代にも通じるものがあると思う。子供のない妻と、子供をもつ愛人。その間で揺れる宗吉。映画を見て、3人のうち、子供心には宗吉が鬼畜に思えた。男性が自分の子だと信じる核心が揺らげば、簡単に「自分以外の子なんだ」と翻る。その簡単さが怖かった。今はDNA検査をすれば誰の子かすぐ分かる。でもその情緒や人情の一切ない簡単さって、なんだか受け入れがたいな。★42017/11/06

よこしま

33
人間の浅はかさ、身勝手さ、弱さ。◆人を殺めるミステリー、本来好みませんが、もう一度清張が描く心理描写を読んでみようと。◆短篇集ですが、まずはタイトルの「鬼畜」から。昔は子殺しが多かったと聞いてましたが、妾の子とはいえ大人の一方的な都合を見せつられました。私的に傑作と感じたのは「寒流」。一人の女性をめぐる男性二人の力の差。弱者がなんとか相手を引き摺り降ろそうとしても、全てを封じ込まれる惨めな姿。この時の心の描写がじつに切なかったです。◆次は清張の社会の闇を追った作品を読んでみたいです。2015/11/10

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