内容説明
闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作、『栄光一途』でデビュー。05年に『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんふぁん
271
2019年8月13日読了。14年前に読んだ本作を再読しました。14年前に読んだ時は、難しいなぁ、津田長好きだなぁ、劇場型捜査ってどないなん?とか思ってましたが、今読めば懐かしい思いと、津田長素晴らしいなと、巻島の不完全な男前具合に痺れます。さぁ、下巻読みましょう。2019/08/13
しんたろー
198
雫井さんの代表作として名高い本作を読み逃していたので…誘拐事件の緊迫感で始まり惹き込む前半は主人公・巻島警視の家族も描かれ、主人公らしい立ち位置。数年後、連続児童殺害事件の捜査が暗礁に乗り上げ、左遷されていた巻島が呼び戻され、人気情報番組と組んだ「劇場型捜査」に出演する事を上司・曽根から命じられる。不慣れな事に悪戦苦闘する巻島を応援しつつ、年下のキャリア上司・植草が捜査情報を自分の色恋に利用しようとする脇道も絡んで面白い。本題に入るまでが少々冗長にも感じたが、後々に関わる大事な要素と期待して後編へGO!2021/04/09
れみ
184
数年振りに読みました。少年の誘拐事件で失態を演じ左遷された主人公・巻島が数年後、連続少年殺害事件の責任者を命じられることになり、テレビを使った劇場型捜査に乗り出す…というお話。数年前に見た映画のまま、豊川悦司さんの姿や声で場面が甦ってきます。いちばん最初の誘拐事件の緊迫感も良いし、数年後の、巻島と津田さんのコンビも良い。ただ、若い上司の植草は過去の女性に対する執念が半端ないところがストーカーっぽくてちょっと怖い(-"-)さて下巻も楽しもう。2013/10/05
黒瀬
166
川崎男児連続殺人事件の捜査に行き詰まった神奈川県警はメディアを利用し、捜査官をテレビに出演させるという荒技へ打って出る。矢面に立つのはかつての誘拐事件とその後のメディア対応で失態を演じた『プッツン警視』こと巻島史彦五十二歳。上巻であることから、決定的な何かは起きておらず種を蒔かれただけなのだが伝わる緊迫感は既にクライマックス並み。植草、曾根、など腹に一物抱えた役者たちがこのまま黙っているとは思えない。もちろん犯人も。急いで下巻へ!2021/03/22
mura_ユル活動
163
雫井脩介、5冊目。必ず外さない作家のひとり。上巻は犯人が全く見えない中でもやもやと終了。主人公刑事巻島は格好よさそう。下巻へ。続くは【ネタバレ】です。2021/12/12