内容説明
熊野灘をひかえた漁師町、紀伊長島。水谷征夫の通う長島高校は、そうした漁師の子弟が多い。どのクラスにも手のつけられぬ連中が徒党を組んで、征夫ら弱い者を標的にしていた。そんな彼が「強くなりたい」と入門したのが沖縄松村流高村道場だった。天性のしなやかな肉体と稽古熱心があいまって、やがて紀伊半島、松阪、津を平らげる猛者に育っていった。“殺人拳”の異名をとる寛水流空手の創始者として、強い者に対するあくなき挑戦は拳闘家、武術家、プロレスラーなどあらゆる格闘技家に向う。が、立ち向う男はいなかった。
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- 和書
- 神から翁へ