内容説明
赤いフォードのピックアップを買った男は羊飼いになった。オートバイで大陸の東端と西端から走ってきた男たちは大陸のまんなかで満月を見た。夏の雨嵐が荒野にほんの一時走らせる凄まじい奔流。レインメーカー・アイランドで写真家は月の影を撮ることができたのか―。荒野に吹く乾いた風を感じさせる、四つの物語。
目次
彼はいま羊飼い
ロードライダー
アリゾナ・ハイウェイ
雨の伝説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
18
片岡義男の小説には、いつも吹き抜けていく風の質感が感じられる。それはそれぞれの場面に従って、湿度の極めて低いカラリとした風だったり、あるいはスコールのような重い雨粒を抱いた高圧な風だったりする。この「いい旅を、誰もが言った」の中でも風は常に吹いている。その風を触感として感じながら読み手は、片岡義男の描く風景の中に佇むのだ。片岡の文章にはまるで翻訳したアメリカ小説のような独特の色彩と質感がある。読後、なぜかひとりで旅に出たくなるのは、片岡小説のおおいなる魅力だ。2013/08/21
moonset38
4
片岡氏の作品は、読者を選ぶのか。はたまたそれは著者の読者への挑戦なのか。人間の持つ五感をすべて使い、文字にくらいつくことで著者の放つスタートラインに立つことができる。この作品で私が感じたのは、「匂い」だった。2022/03/02
かなっち
1
風景や状況の描写が多く読むのに疲れました。「ロードライダー、アリゾナハイウェイ」は特に。「雨の伝説」はよかったのに、見せ場の皆既日食の場面も状況描写ばかりで非常にわかりづりです。2015/08/19




