出版社内容情報
出会いは平凡なものだった。彼は純粋に彼女を好きになり、その思いを高めていく。思春期の少年のように想いを秘め、ただ彼女を見つめていた。しかし、平凡ではなかったのは彼女が上司と不倫していたこと――。前島香織を惑わせ乱れさせ、東雲遥斗を狂わせ陥れた真の黒幕、小野幸哉。小野はいかに香織を愛し、いかに想いを黒く染めていったのか。本編の裏側で起きていた愛憎劇とその愛の昇華。「罠」の真相から始まる「Perfect Crime」番外編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キリル
8
時間軸は東雲が香港支社から異動してくる前、香織が中途入社した時にさかのぼり、本編に向かってそれぞれの愛がどう黒く染まり、もつれあってしまったのか、その過程を本編の黒幕小野さんの視点から見ていく番外編。本編ではあまり触れられなかった小野と香織の出会いの馴れ初めから彼女への心象がどう変化していったのかについて描かれていて、彼がどう闇堕ちしていったのかが分かりました。東雲と香織の関係を壊すべく小野と一緒になって暗躍する千夏とその中で見せる小野への気持ちを感じさせるコマが印象的でした。部長がすごく悪役している…2022/03/27