出版社内容情報
これまで4度の直木賞候補作を世に送り出すなど、実力派にして強い人気を誇る木下氏。その魅力の一つは、歴史小説を新たな視点や見せ方で執筆していること。
プロの歴史作家は何を見て、何を感じているのか――。そのアイデアの根源やネタとなった意外な史料を著者自身が明かします。
あまり知られていない歴史エピソードや、よく知られている史料をまとめることで見えてくる別の見方を、小説とは違った切り口・まとめ方で読むことができます。
歴史が好きな人だけでなく、歴史小説を書きたい方にもピッタリの一冊です。
内容説明
長い日本史の中で官位をもらった動物とは。人造人間は平安時代に造られていた。聖徳太子や天下人も魅了した富士山の歴史。織田信長はオヤジギャグの使い手でもあった。明智光秀に島津家、「くじ引き」が歴史を動かしてきた。草履取りで成り上がったのは豊臣秀吉だけではないetc.「プロはこんなことを考えていたのか!」驚きの歴史事実と作家の頭の中を一挙出し!!戦国武将の意外な素顔から歴史を動かしたとんでも出来事まで。
目次
妖刀の物語
戦で活躍し、官位をもらう動物たち
呪術の力を持つ“童子”たち
人造人間の日本史
富士山に魅せられた英雄
論破王の歴史
辞世の句、百景
聖徳太子の正体
平安時代の最高学府、大学寮とは?
光秀のくじ運
形式主義の室町
室町パンデミック
応仁の乱、奇人伝
武田家重代の鎧、数奇なる運命
戦場のゲームチェンジャー・足軽
信長のオヤジギャグ
信長の聖域破壊
なぜ戦国武将は茶の湯に傾倒したのか
禅僧たちの戦国時代
性医、道三〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
38
歴史作家の木下昌輝氏がこれまでの作品のネタになったであろう歴史のアレコレを興味をそそられる文章で教えてくれる。スポットをあてる視点が面白い。妖刀の話から富士山の話に辞世の句、更には武蔵や信長、家斉や秀家‥等、あるところにはあるネタの種。この一冊は歴史のネタ帳として覚えておこうと思う。ネタの宝庫の中で特にお気に入りになったのは論破王の歴史と殉死百景。昔から論破を武器にぐいぐい行く人がいたのかと思うと驚くし、歴史として読み解く観点が個性的で好き。反対に今はほぼ聞かない殉死。殉死の歴史的背景を知ることができる!2025/05/31
Go Extreme
1
プロの小説家の視点 史実の隙間 徳川家に仇なす妖刀 妖刀伝説の創作 官位をもらう動物 呪術の力を持つ童子 人造人間の日本史 富士山に魅せられた英雄 論破王の歴史 辞世の句、百景 聖徳太子の正体 大胆な仮説 平安時代の最高学府 光秀のくじ運 形式主義の室町 室町パンデミック 応仁の乱、奇人伝 数奇なる運命 戦場のゲームチェンジャー 足軽の心理学 信長のオヤジギャグ・聖域破壊 武将たちの茶の湯 禅僧たちの戦国時代 成り上がれ草履取り 秀吉の姉の一族 家康の女性人材活用術 大久保長安の遺産 最強のくじ引き軍団2025/05/23
ナンシー
1
『週刊大衆』連載中、興味津々でしたが少し買いにくい雑誌で、まとめがでるの待ってました。様々な資料から贅沢に複眼視する割にまとめがあっさり、厚苦しくないのが歴史小説家シン・世代、読みやすい理由かも知れません。2冊目もありますように。2025/05/06