出版社内容情報
日清戦争に勝利し、維新以来目指してきた近代国家への地歩を固めつつあった日本。その後の日本の政治・経済・文化を担う人間は盛岡に集まっていた。後の内閣総理大臣・原敬、海軍大臣・米内光政、陸軍大臣・板垣征四郎、鹿島組の鹿島精一、言語学者・金田一京助……。錚々たる顔ぶれが並ぶ中、銭形平次捕物帖を著した野村胡堂と、早逝した天才歌人・石川啄木もいた。そんな二人の交流を描いた評論。
内容説明
神田明神下の岡っ引き、平次が銭を投げて事件を解決!テレビ時代劇でもおなじみ『銭形平次』。感傷的で、自らの存在を切なく訴える短歌で多くの人を虜に!教科書でもおなじみ『一握の砂』。それぞれの作者である作家・野村胡堂と歌人・石川啄木。四歳違いのふたりは、盛岡の同じ学校で青春を過ごした。八十まで年を重ねた胡堂に二十六で生涯を閉じた啄木。そんな彼らの来し方行く末思う姿を、了然明晰に描く。
目次
白堊城
シラミと海軍
片栗と白百合
俳句と短歌
ストライキ
旅立ち
啄木上京
啄木帰郷
詩人啄木
日露開戦
一高入学
啄木迷走
渋民村
代用教員
漂泊
法科大学
北海漂泊
作家志願
貧の洗礼
ローマ字日記
喰うべき詩
啄木死す
胡堂とあらえびす
平次の時代
著者等紹介
郷原宏[ゴウハラヒロシ]
1942年島根県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。詩人、文芸評論家。74年、詩集『カンナまで』でH氏賞受賞。83年、評論『詩人の妻―高村智恵子ノート』でサントリー学芸賞受賞。2006年、『松本清張事典決定版』で日本推理作家協会賞(評論部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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