我々は如何にして美少女のパンツをプラモの金型に彫りこんできたか

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  • サイズ A5判/ページ数 190p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784575311518
  • NDC分類 759
  • Cコード C0076

出版社内容情報



廣田恵介[ヒロタ ケイスケ]
著・文・その他

内容説明

これは単なるプラスチックの欠片か。それとも憧れのキャラの下着か―。それは、溶けた合成樹脂が固まってできた男子のリビドー。それは、金型に刻まれたメーカーの創意工夫。「プラモデルのパンツのパーツ」はいつどのように生まれ、それを組み立てるユーザー心理はどう変化したのか―。これは、豊富な商品写真と共に振り返る美少女プラモの歴史書。そして、少年期に『うる星やつら』によって洗礼を受けた、オタク第2世代の著者による、青春の告白記。「考えなくていいこと」に全身を投じた無視不可能のノンフィクション!

目次

まえがき なぜ「プラモデルのパンツ」に執着するのか
第1章 美少女プラモの誕生―15歳の僕とラムちゃん
第2章 プロモデラーにとってパンツとは
第3章 ラムちゃんをつくった人々
第4章 80年代オタク文化と美少女プラモ
第5章 加速する露出と“魔改造”の矜持
第6章 それは恋愛か情欲か作品か商品か
あとがき 懐古でも回想でもない模型史と思春期

著者等紹介

廣田恵介[ヒロタケイスケ]
1967年、東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。模型製作や映画の企画・脚本の手伝いのほか、工場などのアルバイトを転々とした後、アニメ会社のサンライズや複数のゲーム会社に就職。1999年、「週刊SPA!」(扶桑社)に記事を執筆してフリーライターとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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まえすとろ

45
1982年、アニメ『うる星やつら』のヒロインのラムちゃんのフィギュアがプラモデルとして発売され、そのキットにはパンツのモールド(彫刻)が施されていた。多感な思春期にこのキットと出逢った筆者が辿るヒロインへの純情とリビドーのはざまでもがく姿はキャラクターへの愛情、フィギュアという模型に対する美意識と性なるものの聖なる存在意義を探る青春譚。または日本の模型界で美少女フィギュアの発展と混沌の中「パンツが存在する意味」をモデラー、原型師、模型開発技術者のインタビューを交えて多角的に検証するオタク文化の発展史。2016/06/24

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

4
ガンプラ全盛の82年、「うる星やつら」のヒロインの模型化(厳密に言うと、その前年のガンダムのキャラの模型化から)が、以降の日本のフィギュアの世界を大きく変える(というか、ここから始まる、と言っても間違いないか)出来事があった。それがきっかけとなり様々な人物やメーカーが絡んで賛否両論の中、今のような状況になるのだが、80年代から90年代のキーマンへの取材が、この作者の胸の中の憑き物を落とすための遅かりし通過儀礼を追体験したような読後感に包まれる。万人に薦めないが同じ時代に同じような道を歩んだ人には是非。2016/06/26

tegi

1
名著。『うる星やつら』のプラモデルに対するむちゃくちゃ複雑な心情を、10代のときから中年となった現在に至るまでの自分を怜悧かつ湿っぽく見つめて描く部分が白眉。こういう面倒臭さは自分のなかにも強烈にある。その面倒臭さをここまで書いた著者を尊敬する。/もちろん歴史的な情報をまとめた部分も価値のある一冊。カタログ的に美少女プラモデルを紹介するページにおいては前述のような面倒臭さが姿を潜めてちょっとはしゃぎながらパンツなりなんなりについて語っているところが愛らしい(とぼくは思うがまあ大抵の人はきもいと思うだろう)2019/08/10

unterwelt

1
タイトルだけ見るとものすごくニッチな分野のノンフィクションなのですが(そして間違いではないのですが)、著者の青春譚でもあり、自分の性的嗜好にどう折り合いをつけるか、もしくは落とし前をつけるかという話でもあり、フィギュアから見たオタク史でもある。この本について語ろうとするには自分もいろいろとさらけ出さないといけない気がする、そんな厄介な本でもありました。2016/07/06

りゃーん

0
案外模型に親しんできた。 幼少の頃、超合金など玩具が好きだったが、敵がキット化されない・スケールが平気で違うなど不満な点が多いので、小学校に上がるとスケールモデルを基礎においたガンプラに熱中して、マメに塗料で色を塗り、ちょっとした改造もした。 私が通っていた小学校の直ぐ目の前に山屋・野口屋というやたらマニアックな模型屋があり、そこでキャラクターモデルを買ったのだが、ラジコンやタミヤの戦車などのスケールモデルを買うオトナに混じってガンダムを買うのは子どもっぽく恥ずかしかったものだ。 しかし更に恥ず2016/09/03

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