出版社内容情報
安宿緑[ヤスヤドロク]
著・文・その他
内容説明
父親は北朝鮮出身、母親は在日韓国人2世。朝鮮学校から総聯勤務の腐女子ライターが振り回され続けた「北」と「南」そして日本。
目次
第1章 日本で暮らす「北の人々」(南北縦断おじいちゃん;朝鮮学校という世界 ほか)
第2章 北で暮らす家族たち(初の訪朝;北の家族はあたたかい ほか)
第3章 北の国の人々(北朝鮮の中学2年男子;無慈悲なハーフパンツ班長 ほか)
第4章 世界の中の「北」(北朝鮮パスポートを入手;北朝鮮パスポートで仁川空港に到着すると… ほか)
著者等紹介
安宿緑[ヤスヤドロク]
ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。元朝鮮籍で、現在の国籍は韓国。北朝鮮の政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。「ライター安宿緑の北朝鮮ブログ」が話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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matsu04
28
北朝鮮モノとしてはかなりユニークな内容だ。朝鮮学校での生活や学習組の様子、総聯職員としての日常などが紹介されているが、その実態は、一般にイメージされているところとはかなり隔たりがあるようである。北朝鮮パスポートの話も面白い。2016/01/18
チェアー
12
人間の心を国家が縛ることはできないという当たり前のことを思い起こす。身近な人を描くことで、北朝鮮の人々の人間としての豊かさやしたたかさを知る。北朝鮮を絶賛するのは怖いし、まったくこきおろすのも嫌だ。国家の評価とは別に、普通に暮らしている普通の人々については、ごくごく普通に(いいことはいい、悪いことは悪い)、バイアスをかけずに評価したいなと思う。アイルランド入国の話はすごく面白かった。2016/02/26
kawa
9
著者の朝鮮学校在学中や、北朝鮮での庶民との交流の様子が描かれている。在日の人の心理もある意味良く理解できる内容。北朝鮮の庶民の人々も逞しく生き抜いているのですね、ちょっと安心も。日頃のステレオタイプ的なマスコミ報道と異なる内容で、著者には失礼ながら面白く読了できた。国籍とは何なだろうかということもリアルに考えさせられる。2016/05/05
長島芳明
8
著者の経歴はバリバリの北朝鮮の系譜なのに、何かのトリガーが外れたのかゆるい文章で独自の目線で北朝鮮やその事情を綴っている。どれも体験に基づいているので、マスコミで報道されるステレオタイプな朝鮮人と違う。純粋に彼女のたくましさや行動力に敬服した。文才も豊かで比喩も面白く、単純な読み物としても面白い。次回作が出るなら、硬派に徹底した作品と、もっともっとゆるい話、それこそ北のポルノ産業(男女問わず)を紹介するような2つを期待したい。2016/09/30
よう
8
北朝鮮報道についていつも感じてしまうモヤモヤ感が、この本では無い。 見せたい部分以外は隠しているのでは、本当は???というイメージから、 こっちはイコール虐げられた洗脳済み人民の悲惨な生活を想像してしまいなんかもぅ不気味に感じるのだが、この本では著者は明らかに彼の国が見せたい姿以外の部分を見てて、その中でも触れあったガチ人民たちの楽しみや好み、普段の姿を書いててほんとワロタと共に理解不能感が若干薄れるので、今このミサイル記念日に是非お奨めしたい一冊。 この方にしか書けないルポだと思う。2016/02/08