内容説明
爽快なる笑いは健全なる言論に宿る。腐った常識、病んだ良識に挑む最新評論・エッセイ集。
目次
第1章 健全なる精神は健全なる言論に宿る(「団塊の世代」という公理系;坂東眞砂子「子猫殺し」を論ず;常識的在日論のすすめ ほか)
第2章 健全なる精神を保つために(ろうごが待てない;ゼロサン時評、ゼロヨン時評;脱靴掻痒漫筆)
第3章 健全なる精神のフットワーク(「吉本の幻像」の罪;「地震の前兆」事前にやってよ;お元気ですか、人権主義者様 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
安土留之
1
後半は短い時事評で、話題はちょっと古いけど、前半は呉さんの主張が理論的に展開されており、今でも読む価値があるかと思います。ジャニーズ問題からもあらわになったが、日本のマスコミや評論家などの忖度する悪弊と無縁の呉さんの持論が展開されている。2024/06/01
すがし
1
夫子の雑誌などに掲載された短い時事評論をまとめた単行本。面白いがまとまった内容ではないためやや食い足りない。「本気」の時代の終焉には衝撃を受けた。2007/07/15
Akihito Arai
0
「バカにつける薬」というタイトルに大笑いして読んで以来の呉智英さんのファン。とは言え積極的に新刊をフォローするほどではない。ブックオフや古書店で見つけると必ず買う。本作も代々木八幡の古書店で108円。真面目の度が過ぎて360度以上回転してしまい、妙なおかしみを醸し出している、という個人的な感想は相変わらずだが、故意にやっているところも見受けられ、もはや芸風へと進化しているようである。タイトルもしかり。2014/08/02
がんぞ
0
心酔者は著者を「夫子」と呼ぶ。憲法改正どころか大政奉還を取り消せと言う封建論者である。どんな思想も反社会的行動につながらなければ抱く自由はある。過激すぎて本気にされないらしい。夫子は「『なせ人を殺してはいけないのか』と問うた若者は英雄視されたが差別がなぜいけないのかとは誰も問わない、人権は生命より重んじられている」と《団塊の世代》のパラダイム支配を指摘する。学生運動で検挙された経験がある世代故か、チャイナなどで抑圧される大衆に同情的だが論理的に「支那を中国と呼ぶのは日本を差別することだ」と言い続けている。2012/01/17
ntr
0
ざっと読んだ。著者の本を読む人・著者のことを知る人がもっと増えないものだろうか。2009/09/27