感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akihiko810/アカウント移行中
20
石ノ森章太郎の自伝的短編マンガを集めた短編集。8/10点 駆け出しの頃トキワ荘で赤塚不二夫と同居してた頃の話（なぜか赤塚がイケメン）や、手塚治虫に「ジュン」を否定されて「COM」の連載を降りたら、神様である手塚が直々に謝罪しに来たという有名な話が載っている。もう本作は漫画界の「資料」ですネ。 そしてなんと「藤子不二雄伝」が載っているのがすばらしい。石ノ森と藤子コンビの出会いが漫画になっているなんて、奇跡としかいいようのない話である。2022/04/08
akane
7
ずっと欲しかった本。惜しむようにページを繰った。今まで読んできたトキワ荘関連の思い出が、音を立ててざーっと頭の中に蘇ってきた。本作によると、著者が幼い頃『ジャングル大帝』を読んだとき、コマの中から音楽が聞こえてきたという。彼の『ファンタジーワールド・ジュン』に嫉妬したといわれる手塚治虫も、固定観念を払った自由なコマ割りに、きっとみずみずしい音楽を感じたのだろう。２人は思う存分クラシックを流しながら仕事をし、メロディは原稿にしみ込んだ。耳で聞くはずの音楽を目で感じる、私もそんな感受性豊かな読み手になりたい。2019/06/13
