出版社内容情報
この報告書を絶対に読んではいけない――
あなたの世界が恐怖に一変する読書体験?
【このファイルは、先日都内で発生し、世間を震撼させたあの恐ろしい大量殺人事件の犯人の精神鑑定にあたった精神科医の記録をまとめたものである。これを読むことは、皆さんに対して予期せぬ精神的な影響を及ぼす可能性がある。そのため、決して読むことを強制しないし、読みはじめても皆さんが望めばいつでも途中でやめることも可能である――】
東京郊外で起きた大量殺人事件の記録には不審な点がいくつもあり、それは恐ろしい秘密の手がかりだった。犯人である八重樫信也の精神鑑定を担当した医師・上原香澄のインタビューから徐々に明らかになる事件の真相。犯行時の八重樫は「何」に怯え、一体「何」に襲いかかったのか。ずっと八重樫を見ていたという「ドウメキ」の正体とは?
医療ミステリーのヒットメーカーによるスマホ本ホラー『スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ』(8月20日発売)と対をなす、戦慄の読書体験!
【目次】
内容説明
この本は何かがおかしい。11名が惨殺された猟奇事件。だが、現場の見取り図。目撃証言。そして凶器の使われ方。…おかしい。真相を探る医師がたどり着いた奇妙な廃病院。謎の実験。まるで怪物の棲みかのような街。…おかしい。事件。病院。神社。出版社。すべてが「おかしい」この事件を解明できるのは、あなただけ。読んではいけない。東京郊外で11名が殺された不可解な事件。その真相を、ここだけに残した。どうか、あなたには真実を知ってほしい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ
81
報告書と会話で進んでいく話ですが、不気味な感じがずっと続いていき、最後にはホントに恐ろしい話となるという、中々のめり込んで読めました。ドウメキの瞳にずっと見られている、自分もそんな気がしてきて読んでる途中に何度か振り返りました。そして最初の警告文がホントに重要だと気付かされる、これ以上ないくらい恐怖にまみれた読書体験が出来て良かったのやら、それともこれから後悔するのか、色々な捉え方が出来る作品です。2025/10/12
yukaring
80
「あの大量殺人の真相とは…」現実と虚構の境界線が脆くも崩れ落ちるモキュメンタリーホラー。無数の瞳を持つ“ドウメキ”に捕らわれた者は誰も逃れることはできない、この記録を読んだ者も…。ネットに漂う都市伝説“ドウメキ”について調べていたライターの男が11人を手斧で惨殺した悲惨な事件。彼の精神鑑定を行った上原医師へのインタビューで語られるのは次第に追い詰められていく恐怖。ドウメキの街の廃病院と人体実験の噂、そして真相を探る彼女が辿り着いた戦慄の真実とは。狂気に満ちたこの世界線ではもう誰も信じることはできない…。2025/09/24
うっちー
73
「スワイプ厳禁」は図書館にありません。知念氏は本当に作品領域が広くて驚きです。2025/10/06
aquamarine
61
「スワイプ厳禁」のその後を描いたモキュメンタリーホラー。物語は大量殺人事件の犯人の精神鑑定を担当した医師・上原香澄へのインタビューから、事件の経緯・本質に迫る。前作は普通にホラーだったので軽く読み始めたのだが、著者が医師であることを思い出させる精神分析や、理路整然と語られるドウメキの正体に、前作とは全く違う思いや体験をすることになった。規模が大きすぎて私には未知だが、同じようなことが実際にないと誰が言えるだろう。読み手をただの読者の立場のままでいさせてくれなかった著者に脱帽。2025/10/06
眠る山猫屋
58
ちょっと合わなかったかなぁ〜?読み易いモキュメンタリー構成と大きな文字は有り難かったし、前半の“ドウメキ”からのアプローチは雰囲気もバツグンだったのに。近未来SFと人怖系ホラーへの移行で少し冷めてしまった。イヤミスとしては良作なのかも。でも期待していたのは、帯にあったような土着的な怪異。残念無念。2025/09/21