出版社内容情報
気づかぬうちに犯罪の片棒を担ぐことになってしまった「私」は、共に逃亡することになった手塚という男と話すうち、幼少の頃、解けないはずの謎を解いてしまったことを思い出す。それはノストラダムスの大予言に世間が騒然としていた1998年の思い出。ひと夏立ち寄った海沿いの町で、かつて「ぼく」だった「私」はかけがえのない友人と出会い、償うことの出来ない過ちを犯した。「私」は過去と向き合うため、記憶が眠るその町に向かうことになる。人間として思考し続けることの尊さを突き付ける、ジュブナイル×暗号ミステリ!
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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1
夏休みの学生さんに是非読んでほしい! 不穏で薄暗い冒頭から爽やかで鮮やかな夏への場面転換。過去の、ひと夏の思い出はぼくのなつやすみというゲームを連想させる。でもそこはゲームのように楽しく無邪気なだけでなく、ミステリの風が舞い込み子供なりに疑問をぶつけ、言葉を繋ぎ、感情を膨らませ、もがきながら小さな答えを見つけていく。『ぼくちゃん』の成長を垣間見れるし、『夏』との時間は唯一無二の思い出になる。所々掘り下げてほしいなと思う部分はあるが、最後の切なさに思わずうるっとしました……。2025/07/23