出版社内容情報
その少女は、いったい誰の子ーー。
季節外れの雪が降った四月の早朝に、新聞配達員の少年は、側溝に倒れている幼い女の子を見つけた。その少女は、人形と見間違うほどに雪よりも肌は白く、生気がなかった。雪の上に残されている足跡はその少女のもの思われる一人分のみ。足跡は、少し先にある「プチシャトー市毛」という小さなマンションから続いてるようだ。少女はいったい誰の子で、なぜそこで生死を彷徨っていたのか。奇妙な住人たちの愛と憎しみがもたらす、不協和音サスペンス。
内容説明
季節外れの雪が降った四月の早朝に、側溝で倒れている幼い女の子が発見された。その少女は、雪よりも肌が白く、人形と見間違うほどに生気がなかった。雪の上に残されている靴跡は少女のものと思われる一人分のみ。靴跡は、少し先にある小さなマンションから続いてるようだ。しかし、少女の身元が中々明らかにならない。奇妙な住民たちは、何を隠し、何を語る―。家族の愛と憎しみが巻き起こす不協和音サスペンス!
著者等紹介
美輪和音[ミワカズネ]
東京都出身。青山学院大学文学部卒。大良美波子名義で、映画『着信アリ』シリーズの脚本を手がけた後に、2010年「強欲な羊」で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞し、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
38
4月の雪の早朝に新聞配達の少年が見つけた側溝に瀕死の状態で横たわる少女。名乗り出る保護者も無く何処の誰なのか分からない…俄然興味が湧いてくる始まりだ。事件を取材するライターが訪れたマンションの住人達もかなりヤバい。外から見たら羨ましい家族でも、素敵な人でも本当の顔は分からないという怖さ。家庭なんて所謂密室で何が行われているのか…。大人の保護がないと生きていけない子供達がもし抑圧されて育ったらどんな大人になるのか。『ヒトコワ』を読みたいならこの一冊。2025/02/28
hirokun
31
★3 毒親、ネグレクトをテーマにした小説かと思って読み始めたが、途中からはサスペンス小説としても興味深く読めた。物語の構成が普通の小説とは違っており、最初はあまり慣れなかったが、慣れるにつれてストーリーに入っていけた。人を知らず知らずのうちに操る人に対する怖さが感じられた。2025/06/29
よっち
27
季節外れの雪が降った4月早朝、新聞配達員の少年が発見する側溝に倒れていた幼い女の子。奇妙な住人たちの愛と憎しみがもたらす不協和音サスペンス。人形と見間違うほどに肌は白く生気がない少女。少女はいったい誰の子で、なぜそこで生死を彷徨っていたのか。フリーライター山田百合花が事件を取材していく中で、マンションのオーナー市毛野ばらと、そのマンションに暮らす娘夫婦と孫2人を中心とする、脅かす者と脅かされる者たちの歪な人間関係が描かれていきましたが、覚悟を持って裏で支配する黒幕に立ち向かった結末には救われる思いでした。2025/05/28
akiᵕ̈
24
マンションの側溝に倒れていた少女の事件が、フリーライターの山田百合花によって、関係者たちへのインタビュー形式で展開されていく。事件のあったマンションのオーナー・市毛野ばらは、絵画教室を開いている先生でもあり、そこに集う者や、このマンションに暮らしている娘夫婦とその孫2人の学校での人間関係などから、驚愕の真相が明らかに。取材を受ける人たちの間に、日記形式で子どもの言葉が書かれているんだけど、この子どもは誰なのか、お姉ちゃんとは誰の事なのかがキモとなっている。親に人生を狂わされた子どもたちの反撃が救い。2025/05/27
TI
11
最初のほうは特に読んでいて暗くなるね。側溝で倒れていた少女はだれなのか?というミステリ要素もあるがさほどでもなし。むしろ人間の怖さが主。2025/06/15