出版社内容情報
クズ夫は古典的な完全犯罪で殺す。殺されるくらいならAIを駆使した完璧な計画で妻を殺す――。料理研究家の鷹内冴子は夫の射矢に殺意を覚えていた。探偵に素行調査を依頼すると、三桁を超える不貞の事実が発覚。別れる前に叩きのめすと心に誓い、まずは『妻が夫を完全犯罪で殺す方法』という小説を執筆し始める。IT企業社長の射矢はキッチンの抽斗から妻の書いた小説を見つける。浮気がバレたと確信し、自社開発のAIに相談するのだった。夫婦喧嘩×完全犯罪×AIミステリー、このどんでん返しは絶対予測不可能!
内容説明
料理研究家の冴子は3桁の不倫が発覚したクズ夫の射矢に殺意を覚えていた。絶対に叩きのめしてやると誓い、『妻が夫を完全犯罪で殺す方法』という小説を執筆し始め、憎悪を滾らせていた。IT企業社長の射矢はキッチン棚から妻の書いた小説を見つける。仕方なく不倫をやめた射矢だが、部下が開発中の汎用人工知能の三郎(アバターは犬)と対面。驚異的な予知能力を持つ三郎は、夫婦が参加するトレイルランニングの大会中に「冴子が射矢を事故に見せかけて殺す」と予想を告げる。そして、三郎は射矢のために完全犯罪を計画する。
著者等紹介
上田未来[ウエダミライ]
1971年山口県生まれ。関西外国語大学卒。「濡れ衣」で第四一回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
52
美男美女の鷹内夫妻だが、夫の射矢に浮気の疑惑が。 そこで妻の冴子は復讐のため夫を殺す方法をメモしていく。 一方射矢の方もその計画に気付き、会社が開発したAIに相談をする。 ブラックユーモアの前半で殺しに怯える夫の描写が面白いが、AIの三郎がやってくる後半はSFに早変わり。 三郎の暴走に夫妻両方ともピンチに陥る展開。 ただしラストのエピソードは唐突過ぎる。 最後のオチを作りたいがために、無理やりやらせたとしかね。夫妻で切り抜けた危機を台無しにするとは思えないのだから。2025/04/09
さっちゃん
42
料理研究家の鷹内冴子は、軽い気持ちで探偵に夫・射矢の素行調査を依頼。妻の妹を含む三桁を超える数の浮気が発覚し、冴子は夫殺害計画を企てる。IT企業社長の射矢は妻に浮気がバレたと確信し、自社開発のAIに相談するのだが…。/家庭内ではカバー必須のタイトル。いくらモテ男でも結婚5年で三桁超えの浮気とはドン引き。互いに殺害を計画するが、深刻さはなくライトなドタバタ劇にグイグイ読まされる。射矢が相談するAIの三郎が凄すぎて怖い。やはり人類の為には存在しちゃいけない気がする。さて冴子、この後どうするつもり?2025/04/02
koma-inu
40
三桁数の浮気を繰り返す夫に、殺意を抱く妻。返り討ちする方法をAI に聞く夫。物騒な内容ですが、ライトな雰囲気で話が進みます。ミステリというよりは、ユニーク小説。夫の狂った浮気理由、これは許容されないでしょう😅AI の三郎が賢すぎますが、そのうち現実にも出来そうな気がする••😰終盤は想定外の?人間関係が構築され、ドタバタ劇が楽しい。エピローグは、本書らしい締め方。この後、妻も夫もどうなったんだろう?2025/04/06
きりん★
37
題名を隠して読みたい本だが、中身は明るいエンタメサスペンスだった。なんの問題もない夫婦の夫に浮気発覚。それも100人越え?!それを知った妻 冴子は復讐を誓う。夫の射矢はそれを知り、AIに相談。てんやわんやで面白かった😆2025/04/28
rosetta
36
★★★✭☆無茶苦茶面白かった!モテ男のIT社長の浮気相手は延べで三桁に達するか!依頼した探偵から知らされた料理研究家の妻は夫を殺す完全犯罪を狙う。一方で夫の会社の天才プログラマは意図せずに世界初の汎用AIを開発してしまう。夫がこのAIに相談したことから事態はドンドン混沌状態へ。誰が何を企んでいるのか分かりにくいところがあるのは仕掛けとしてわざと曖昧にしているのか。イーロン・マスクを超える富豪になれる機会を捨て去りながらも事件解決後にはやっぱり浮気を止められない夫は誠実なのかクズなのか?笑った笑った2025/03/23