出版社内容情報
大学生の琴葉は、飲み会の後にお持ち帰りされそうになっていたところを助けてくれたシマくんにひとめぼれする。すげないシマくんに振り向いてもらうため、彼が傾倒している「本当に障る話」の調査を手伝う琴葉だが、どうやら琴葉は霊や怪異を寄せる体質らしく、いつも命の危険があるような危険な目に遭ってしまう。
その度に大いに反省し、もうやめようと思うのだが、シマくんの素晴らしく良い声で誘われるとどうしても誘いを断ることが出来ないのだった――。ホラー小説界最注目の才能が放つ新感覚のエモーショナル・ホラー!
内容説明
怪異を寄せる体質の女子大生・琴葉と、怪異を探し求める美声の青年・シマくん。京王線の沿線で障りのある話を調べる2人は、“本物”を見つけられるのか―?
著者等紹介
芦花公園[ロカコウエン]
東京都生まれ。小説投稿サイト「カクヨム」に掲載していた『ほねがらみ―某所怪談レポート―』がSNSで大きな話題となり、2021年『ほねがらみ』(幻冬舎)として単行本化されデビュー。ホラーブームの昨今で最も注目を浴びる著者の一人である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ままこ
68
軽い語り口だが京王線沿いに潜んでいた怪異は粘着質で背筋が凍る。幽霊に会いたくて〈聞いたら障りのある話〉を探している謎多きシマくん。怖がりだけど怪異を引き寄せる体質の琴葉は惚れた弱みで彼に協力することに。二人の奇妙な関係性も気になり一気読み。人外の怪異と人の歪んだ執着。正常さをじわじわ蝕んでいく。ばら撒かれていた伏線。まさか、こんな展開が待ち受けているとは。『佐々木事務所』がちょっと絡んでくる。溢れ出る一途な想いが痛々しい。混乱し反転する新感覚ラブホラー。揺るがない狂気が後を引く。2025/03/28
aquamarine
62
大学生の琴葉は、危ないところを助けてくれた「シマくん」に一目ぼれする。連絡先を交換するも付き合ってもいない二人。彼は怪異に出会うために琴葉の霊感体質を利用し、数々の危険な目に合わせるのだが…。シマくんはどう考えてもクズだ。様々な怪異に一人で立ち向かい命の危険にもさらされているというのに、諾々と従ってしまう琴葉。京王線沿いという日常の延長の場所だからこそ、様々な怪異は非日常ではいてくれない。見ていたものは、いや、信じていたものは実際は何だったのか?…怪異は信じる人間がいるからこそ、存在するのだろう。2024/10/13
さっちゃん
44
大学生の琴葉は危ないところを助けてくれたシマくんに一目惚れする。 しかしシマくんは琴葉に全く興味がない様子。彼に振り向いてもらうため、幽霊に会いたいという彼を手伝う琴葉だが、いつも危険な目に遭ってしまい…。/そんな男はやめておけ。娘にならきっとそう言う。今回は珍しく恋愛モノかと思っていたら、シマくんと琴葉の関係は進展しないまま次々と恐ろしい怪異エピソードが。やがて二人の関係が予想外の結末へと向かい、あのシリーズの二人も登場。いつから?最初からそうだったの?私の中にしっかりイメージ出来てるけど大丈夫そう?2024/10/18
Karl Heintz Schneider
43
女子大生の琴葉はひょんなことから出逢った、ひょろっと背の高いシマ君に一目ぼれする。たびたび会うようになるが、それはデートと呼べるものではなく、いわくつきの場所に行って「出遭う」ことが目的。琴葉は「視える」体質で、それを利用されていることはわかっている。それでもシマ君が好きで今日も呼び出された場所に足を運んでしまう。愛想もそっけもないシマ君だが彼が行きたがるのには理由があって、最終話ではそれまでの謎が氷解する。2024/11/22
あっか
39
もう最初っからみんなおかしいし、芦花公園先生は作品中で必ず1〜2回は頭がおかしくなりそうになる!(褒め言葉) 何気に1番オカシイのは琴葉だよな、という伏線がしっかり回収されてゾッ。作品から感じる脳内イメージと表紙の琴葉がぴったり過ぎて凄い!…シマくんはシャツがチャラい寄り?笑 なんか、怖かったんだろうけど琴葉のシマくんラブにだいぶ引っ張られたなあ🤣グイグイ引き込まれて一気読みでした。あ、最後にあのシリーズの2人も登場。次の最新作「無限の回廊」へのバトンかな?2025/01/26
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