出版社内容情報
依頼人の死後に届けものをするサービス「天国宅配便」の配達人・七星が贈る感動のシリーズ第三弾!姉を許せないまま生き別れた女性に届いた小包み。高校生が通う大好きな食堂の営業最終日。子供の頃ファンレターを送った漫画家からの思いがけない返事。老人が美術展で知り合った少年と交わした〝賭け〟。心温まる四編+エピローグを収録。
内容説明
明日を生きる勇気が湧いてくる珠玉の4編。第1話「パンドラのひみつ箱」三十年以上絶縁していた姉が妹に贈ろうとした箱の中身とは…?第2話「食堂ミツコ最後の日」昔ながらの食堂の最終営業日に招待された女子高生には、ある秘密があった。第3話「いつかのファンレター」小学生の頃にファンレターを送った憧れの漫画家から大人になった今、返事がきて…?第4話「孔雀石の母子像」妻を亡くした老人は美術館で出会った青年と、ある「賭け」をすることに。
著者等紹介
柊サナカ[ヒイラギサナカ]
1974年、香川県生まれ。日本語教師として7年間の海外勤務を経て、2013年「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉『婚活島戦記』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
192
生前に預かった故人の遺品を指定受取人に届ける天国からの宅配便シリーズの第3弾という事で初読みでしたが楽しんで読みました。全4話+エピローグの読者を飽きさせないストーリーテリングの巧みさと読後に必ず感動を与えてくれる希望に満ちた物語に著者の確かな実力を感じまして何度でも読み返せる稀有な作品だなと思えましたね。希望と元気と勇気と明日への活力をもらえて幸せな気分にしてくれる本なんて中々ありませんよね。未読の前2冊も早めに読みたいなと思いますし著者の他の沢山の作品群も探して読みたいですね。#NetGalleyJP2025/01/04
おしゃべりメガネ
97
『天国宅配便』シリーズ第3弾。過去に何かしら関わり、接点のあった思い出のある人からの宅配便。送り主は既に亡くなっており、生前、遺品配送の手続きを済ませていた流れでの出来事になります。本作はしっかりとココロ温まる4つの物語が綴られており、期待通り、ホロリ&ほっこりとさせてくれます。個人的には「食堂ミツコ」の話が印象的でした。でも裏を返せば今の時代、なかなかリアルでちょっとコワい話かもしれませんね。長らく疎遠だった姉との確執の裏には意外な真実がみえてくる話もステキでした。このシリーズ、これからも楽しみですね。2024/06/08
ma-bo
95
「天国宅配便」シリーズ第3弾。独立した短編4つ+エピローグ。特定の誰かに渡したい物を託しておけば、自分が死んだ後に届けてくれるという天国宅配便。託す側、受け取る側の物語を細やかに綴る。今回は送られた側の変化によりスポットが当てられている。ほっこり温かい気持ちに読後感だが決して綺麗事ばかりのストーリーでないのは良い。両者を繋ぐ宅配便の七星さんの想いと矜持。活躍ぶりがいいね。2025/01/07
花ママ
72
依頼人が亡くなった後に、託された品物をその人と関わりのあった人に届ける宅配人七星のシリーズ第3弾。4つの物語とエピソードからなる短編集。家族全員に多大な迷惑をかけて駆け落ちした姉が残した〈パンドラのひみつの箱〉など、今回は依頼人も受け取る側にも善人と呼べないような人もいた。ただ過去はどうあれ人は去りゆくときには、心洗われ清らかな気持ちになるのものかと思った。最後の〈エピローグ〉が一番よかった。 ♯Net Galley 2024/05/15
Ikutan
71
依頼人の遺品をしかるべき方のところへ送り届ける『天国宅配便』第3弾。依頼人の思いを確実にお届けするために、配達人の七星は誠心誠意尽くす。家族を裏切って、欲望とわがままを通し出奔した姉から届いた寄木細工のひみつ箱。罪悪感を抱える女性の元に届いた食堂店主からの招待状。小学生の時にファンレターを出し続けた漫画家からの思いがけない手紙。10枚綴りの絵画展覧会の招待券。依頼人の様々な思いに涙したり、心打たれたり。その思いに気付くことで、受け取った側に大きな変化が。今回は、七星さんも命がけでしたね。心温まる良書です。2024/06/22