出版社内容情報
毎年、生徒の誰かがサプライズを起こすことが慣例となっている八津丘高校の文化祭。2年前、ゲリラライブで人が殺到し教師がケガを負ってしまった。その様子はSNSにアップされて炎上、ニュースにも取り上げられ大問題に。しかし、今年の文化祭初日。まるで宣戦布告をするかのように2年前の文化祭ポスターが学内掲示板に貼られている。文化祭実行委員の市ヶ谷のぞみたちは生徒達に話を聞きにまわるが……。2020年に小説推理新人賞を受賞しデビューした著者による注目の第二作!
内容説明
生徒によるサプライズが慣例の文化祭で宣戦布告のポスターが。祭りの裏では高校生の思惑が交錯していて…。小説推理新人賞受賞第一作!謎が散りばめられた青春ミステリー群像劇。
著者等紹介
藤つかさ[フジツカサ]
1992年兵庫県生まれ。2020年に「見えない意図」(単行本収録時に「その意図は見えなくて」に改題)で第42回小説推理新人賞を受賞。受賞作を含む短編集『その意図は見えなくて』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
126
文化祭でのサプライズが事件になって禁じられた高校で、その伝統を復活させようとの動きが発覚する。警戒する学校側と何かが起きてほしい実行委、生徒たちの恋愛のもつれなど様々な思惑が重なる。筒井康隆や眉村卓なら未来人のテレポートが出るだろうし、押井守なら時を操る妖怪を出すところだが、事件も起こらないのに「誰がなぜ何の目的で」との謎に引っ張られて読ませる。コロナ禍でまともな学校生活を送れなかった若者に向け、思い切り青春を爆発させたらと訴えるようだ。着想はいいし面白く書かれているが、やはり地味すぎて今ひとつ感が残る。2024/02/06
aquamarine
68
舞台は前作と同じ高校。毎年なにかサプライズが起こる文化祭だが、2年前の事故によって自粛ムードになっていた。そんな文化祭当日朝、2年前のポスターが掲示板に貼られる。貼ったのは誰なのか、今年は何かが起こるのか、時系列で文化祭二日間を追うミステリ+青春群像劇。高校生って子供じゃないし大人じゃない、実はとっても痛々しかったりするのだ。そしてやってくるその時…突然起きたように感じたが、実は伏線が細かく張られていたことに気づく。そして勿論それだけでは終わらない。自分の心の奥底の優しくもほろ苦い想いが余韻として響く。2023/12/28
ナミのママ
67
文化祭の2日間を取り上げた作品。その学校では文化祭にサプライズが起きる慣例があったが2年前のSNS炎上で昨年は中止。今年は何か起こりそうな予感。複数の生徒の思惑。「自分らしくとは何か」という青春ならではのテーマと、何が起こるかという期待。ページ数も少なく読みやすい作品。でもサプライズってそれ?あまりにも小さくない?ごめんなさい、すごくがっかり。いいこちゃん達の甘酸っぱい青春劇のようでパンチがなく、私には合わなかった2023/12/23
さっちゃん
47
文化祭で許可なくサプライズする伝統がある八津丘高校。2年前のトラブルで学校側もサプライズを容認できなくなる。しかし今年の文化祭初日、予告状のように貼られた2年前のポスターが見つかる。誰が貼ったのか、何が起こるのか…。/前作の記憶が曖昧だけどユウと清瀬君は覚えてた。文化祭の2日間の青春群像劇でドラマティックな展開こそない。でも、高校生の希望と焦燥と諦めがブレンドされた身悶えするような感情描写がお見事。自分の高校時代もウン十年経ってもキラキラして、黒歴史の煮凝りで、痛くて甘酸っぱくて大切な日々。いいなぁ青春!2024/01/30
rosetta
39
★★✮☆☆タイトルがいい!なんだったら中身を読む必要もないくらいタイトルだけがいい。キャラクターが嘘くさく誰にも共感できないこんな詰まらない話に使って欲しくないってくらいタイトルがいい(笑)公立八津丘高校の文化祭では生徒によるゲリラ企画が伝統だったが二年前の企画で怪我人が出たことで学校の締め付けが厳しくなった。文化祭当日の朝その二年前のポスターが何者かによって貼られた。それはゲリラ企画を予告する物なのか?犯人探しを頼まれた実行委員の女生徒は心中でゲリラを期待しながら聞き込みを進める。ストーリは良さげなのに2023/12/30