出版社内容情報
警視庁暴力団対策課の刑事の妻であり、娘でもある仲野誓はある日、同じ課で働く夫の賢治が銃撃されてしまう。誓は犯人を逮捕するため、「警視庁初の女マル暴刑事」である薮哲子とコンビを組む。復帰早々に日本最大の暴力団・吉竹組の元組員の会社宅で爆破事件が発生。この事件は本家と関東に分裂した吉竹組の抗争、そして賢治銃撃事件とも複雑に絡んでいるのか。マル暴刑事の執念と複雑化する暴力団組織の闇、血飛沫舞うヤクザの生き様から目を離せない。警察小説のヒットメ―カーが描く、規格外のマル暴女刑事!
内容説明
警視庁組織犯罪対策部暴力団対策課の桜庭誓は父も夫もマル暴刑事。遺伝子レベルでヤクザを理解する特殊な刑事だった。結婚後は退職して専業主婦をしていたが、夫の賢治がヤクザに銃撃されてしまい、犯人逮捕のために現場復帰する。そんな中、日本最大の暴力団吉竹組の元組員宅で爆破事件が発生。ベトナムマフィアの仕業かと思いきや、事件は本家と関東に分裂した吉竹組の抗争が絡んでいた。誓は自分に思いを寄せる片腕の武闘派組長・向島春刀とともに、血塗れの抗争を防ぐ。
著者等紹介
吉川英梨[ヨシカワエリ]
1977年、埼玉県生まれ。2008年に『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
173
これは警察小説?イヤイヤ血の滴るやくざ小説だ!しかも私の好きな情が絡む漢の物語だ!向島が好くて他は見えない(笑)マル暴刑事・桜庭誓はちょっと苦手なタイプだが、仕方ない彼女が主役らしい。嗚呼、一気読み。これで終わりは酷過ぎる。お願いだから続きをもっと。あの組長兄弟との死闘を今から楽しみにしてる私。身体中の血が沸騰しそうだ。2023/10/04
モルク
118
伝説の故マル暴刑事の娘誓は自分もマル暴刑事となったが指導官だった夫との結婚で退職。だが夫が銃撃されことにより復職しやり手の哲子刑事とタッグを組む。マル暴刑事とヤクザとの関係。誓の突拍子もない行動に驚きながらヤクザ向島にひかれるものがある。やっぱりあいつが絡んでいたかという予想通りの展開もあったが「血」とはそういうことか。それにしてもギャー痛い!顔の皮を剥ぐ?鼻を削ぎこめかみから顎に切り込みを入れ手を差し込み一気に…そのグロさは半端ではない、ギャー!2024/11/14
タックン
116
伝説のマル暴の娘にしてマル暴の妻の誓の話。結婚前は自分もマル暴刑事というサラブレッドで、夫が銃撃されてその真相を掴むべくマル暴に復帰。 そこにベトナム人とみられる爆破事件と吉竹組の分裂抗争事件も絡んできな臭い感じに。 誓には警視庁の伝説のマル暴刑事の藪からみても強気でイケイケでハラハラさせられる。そこに分裂騒動の鍵を握る男の向島となぜか因果関係があって。 夫と夫婦関係が微妙な感じがしたし、伏線はあって予想はついたけどまさかこんな血の因果があったとは驚いた。 向島がほんと魅力的。でも最後が!!続編が怖い。 2023/12/07
fwhd8325
115
刺激以上に刺激的でした。あまりに烈しいせいか、少し引いてしまう場面もあるけれど、東映映画、大映、新東宝をミックスした展開ならではのものと思います。吉川さんはシリーズものが多いから、この作品もシリーズ化されていくのかなと思います。様々な嫉妬や、恨みがまだマグマのように燻っています。2023/12/26
タイ子
107
ヤクザ関係の小説は本書に限らず、何かと名前がややこしくて(何とか組の何系列とか)一度に把握するのは大変。夫がヤクザに撃たれ車椅子生活を余儀なくされ、マル暴刑事に復帰した仲野誓。相棒の藪刑事とともに日本最大の暴力団組織に挑む。暴力団との対決、不自由な体にされた夫、マル暴刑事としての矜持が燃える。誓の前に現れる向島という組長の存在。ストーリー展開がどんどんヒートアップするので、組関係のややこしさは気にならなくなる。全ての繋がりが見えた時、争いごとの根底にある得体の知れない恐怖に震える。2023/09/23