出版社内容情報
東北の寂れた街に、一ヶ月、欠かさずお参りすると、30日目の夜、この世のものとは思えない快楽のなかで死を迎えることができる神社があるという。それを体験した男の日記がネットで拡散し、その神社は話題に。死にたい人たちが、その街に集まり、街は活気を取り戻すが……。新鋭による連作短編集。
内容説明
東北の寂れた街に、1ヶ月、欠かさずお参りすると、30日目の夜、この世のものとは思えない快楽のなかで死を迎えることができる神社があるという。それを体験した男の日記がネットで拡散され、その神社は話題に。死にたい人たちが、その街に集まり、街は活気を取り戻すが…。死にたい人たちの事情と街を蘇らせたい人たちの思いが交差する連作短編集。
著者等紹介
大石大[オオイシダイ]
1984年秋田県生まれ。法政大学社会学部卒業。2019年2月、「シャガクに訊け!」で第22回ボイルドエッグズ新人賞を受賞。同年10月、光文社より単行本『シャガクに訊け!』が発売された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
92
東北の寂れたある街に、一ヶ月欠かさずお参りすると、30日目の夜、この世のものとは思えない快楽のなかで死を迎えることができる神社があるという。そしてそれを体験した熟年夫婦の夫が残した日記がネット上で拡散されて...DVやネグレクト、貧困、介護等問題を抱えた主人公達が右往左往する30日間、そしてネットの拡散で寂れた街に思わぬ経済的恩恵を受けた住人達の葛藤や策略が描かれる。連作短編なので各話の主人公達がすこしづづ影響しあい合っている。ミステリーかホラーかファンタジーか中途半端な感じがしたのが少し残念かな。2024/12/01
ままこ
88
死にたい人たちが集まるという神社。欠かさずにお参りを続けると、極上の死を与えてくれるという。お参りをする人たちの事情と、関わりを持った人たちが交差して様々な思惑が絡んでくる。謎多き神社の謂れは密かに伝承されていたが…。現代の様々な問題が盛り込まれ、救いもあるがモヤモヤと複雑な気持ちにさせられる怪奇な物語。2022/08/12
kou
58
とある地方の30日間、甘い物を供えて、お参りすると恍惚の中で死を迎えることができる神社をめぐる連作短編集。確実に幸福な死が約束されているというのは、惹き付けられるものがある。実際にあったら、自分は誘惑に打ち勝つ自信は無いかな・・・。希望と絶望、どちらを感じるか読者を選ぶ一冊だった気がする。2022/10/11
さっちゃん
55
東北の田舎町にひっそりと建つ神社。そこに30日間日参して甘いものを供えると、恍惚の中で安らかな死が訪れる。その神社に死を求めて訪れる人たちと、その町で暮らす人たちの連作短編。生き方や未来への希望、地元活性化の模索など前向きな結末に繋がる話が多く読後感は良い。この神社が実在したら、老後に子どもの手を煩わせるようになる前に私も日参したくなるかも。安易に死を選ぶ人が出るかもしれないけど、人によっては「いざとなれば神社がある」とどん底でも踏ん張れるかもしれない。幸せな死という保険があるのは実は心強いことなのかも。2022/08/03
けいぴ
49
お菓子を供えて30日間お参りすれば、恍惚状態で死を迎えることができるという神社に通う人々。んー、中途半端な印象。ホラーにふりきってしまうとか神社に通う人が死を選ぶまでの過程をもっとかくとか、、。2022/12/02