出版社内容情報
世間を騒がせている半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが殺された。警察は暴力団や半グレ同士の抗争と見て捜査をはじめるが、それを嘲笑うかのように次々にメンバーが殺害されていく。疑心暗鬼になっていくメンバーたち。そして、犯人を持ち上げるSNSの住民たち。『正体』で注目を集める著者が放つ社会派サスペンス。
内容説明
世間を騒がせている半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが殺された。警察は暴力団や半グレ同士の抗争と見て捜査をはじめるが、それを嘲笑うかのように次々とメンバーに魔の手が迫る。疑心暗鬼になっていく半グレたち。そして、犯人を英雄視するSNSの住民たち。意外すぎる犯人と絡まり合う人間関係が驚愕を誘う、今大注目の著者による社会派サスペンスの傑作。被害者にも、加害者にも、家族や大切な人がいる…。連続ドラマ化の話題作『正体』、大ヒット中『悪い夏』の著者が事件の裏にある「知られざる物語」を描く。
著者等紹介
染井為人[ソメイタメヒト]
1983年千葉県生まれ。芸能マネージャー、演劇プロデューサーなどを経て、2017年「悪い夏」で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞。同名作で小説家デビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
245
★★★★★★★★★☆復讐を扱った染井為人の長編。半グレ組織「凶徒聯合」のメンバーが惨殺された。しかしそれは日本最凶といわれる組織を狙った連続殺人の幕開けに過ぎなかった…。命を狙われるメンバーや警察だけでなく早々に判明する犯人の視点からも描かれるため、一見すると読者は神の視点から全てを俯瞰しているように思えるが、そこはしっかりと驚きが用意されている。それだけに、帯で〝意外すぎる犯人〟と謳うのは勿体ない気がした。実在の団体や事件をモチーフにしているだけに、本作を臆することなく描き切った著者にも敬意を表したい。2022/11/12
いつでも母さん
215
最後が・・最後が怖い。早々に犯人は確定するのでそのドキドキ感は無い。京子の何故と、聡之の危うさがどんな着地点を見出すのかと貪るように読んだ。鎮魂とは何を以って?を問うのか、復讐でしか得られないものもあるだろう。心情的には分かる。わかるよ。だがそれは連鎖を招くよね。だから法があるのだろう。そして正義とは。くぅ・・染井さん、面白いのを読ませていただきました。2022/06/09
fwhd8325
190
この間池袋サンシャインビルにあるレストランで暴れたのが、この物語に登場する半グレなんでしょうか。読んでいて腹立たしいったらありゃしない。私たちが知らないだけで、街中に普通にいるんだろうな。染井さんは、時代感を取り入れながら全く飽きさせない。後半、登場人物それぞれのロマンを感じさせてくれました。2022/11/09
nobby
168
半グレ集団の人違いによる急襲が及ぼした一人の青年の心身崩壊…あまりに理不尽極まる無念に誓う『鎮魂』の想い…「陽介、さようなら」「この男が死ねば、その魂が救われる」今も尚のうのうと暮らす主要メンバー皆殺しにむけた様々な錯綜と悲しき邂逅は運命なのか…あまり得意でないテーマ故に深く味わうのは避けたものの、染井さんサスガのリーダビリティに展開が気になり一気読み必至!暴力だけにとどまらず巷で問われる数々の社会問題に切り込むのにも脱帽!何となくモヤモヤしていた心象を終盤きちんと束ねてエピローグで影を落とすのもお見事…2022/08/14
モルク
157
半グレ集団凶徒聯合のメンバーが次々と惨殺される。巧妙な手口、争った跡もなく顔見知り説、敵対するグループ説、彼らが始末した兄弟説など取りざたされる。そしてメンバー内の仕業ではないかと疑心暗鬼される。かつてメンバーに人違いで半殺しの目にあい首から下が不随となって遂には自殺してしまった弟を持つ英介、雑誌の編集者天野、正義感が溢れるが度を越している中尾が絡み刑事の古賀が事件を追う。そしてリーダーの石神、こいつは許せん!頭の回転が早く自分は手を下さない。一番のワル。復讐はいけないが、今回は応援してしまった。2022/08/05
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