出版社内容情報
警察庁の公安秘密組織『十三階』は首相の娘である天方美月議員によって解体させられた。黒江律子と古池慎一夫婦は息子を連れてインドに逃亡するが、古池は過去の殺人容疑で逮捕。そしてコロンビア大使館に左遷させられたかつての上官が過激派に誘拐されてしまう――緊迫のスパイサスペンス、クライマックスのシリーズ第4弾!
内容説明
公安秘密組織VS内閣情報調査室。国家も家族すらも欺き上司の命も捨て石にして、窮地の女スパイの孤独な反撃が始まる。
著者等紹介
吉川英梨[ヨシカワエリ]
1977年、埼玉県生まれ。2008年に『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
173
なんだよぉ・・壊れちゃうのか黒江律子。これまでを思うと苛酷過ぎてさもありなんだよね・・と思った私の両頬を平手打ち(しかも裏拳が痛い)されて目が覚める。くぅ、続きが読みたい。早く読みたい。ワクワクするラストに期待が高まってしまう。2022/06/06
しんたろー
170
シリーズ第5弾は、解体された13階の面々が古池を中心に再起をかけて活躍するのが嬉しい。更に女性キャラたちの強さに圧倒される程で、このシリーズらしい面白さ……お嬢様議員・天方美月、元校長・藤本乃里子が逞しいながらも愛憎に翻弄されて弱さ&脆さを見せるのもイイ!!それに比べて、律子が物足りないと思っていたら……凄すぎるし恐ろしさが増している!!もはやモンスターの域なのだが、母としての強さ&妻としての切なさあっての事ゆえ、無理やり納得させられてしまった😅パワーダウンしないで5作も書き上げた作者が最強の女かも?!2022/07/12
nobby
146
「お前が生み出したんだ」怪物に向けられた言葉…まさにそれフランケンシュタイン…『十三階がなくなったら国は滅びる』彼女の思いはただそれだけだったのに… 「それで救われる命があるのなら、いくらでも寝る。」分かってはいたものの、何とも辛くて…痛くて…今作はさらにせつなくて…男に女だからと便利使いされ女として身も心も削り取られ傷ついた愛すら得られない…仇から救いへと転じた末に生じた陰と陽、相容れない2つの存在が互いに嫉妬にまみれる痛々しさたるや…そしてエピローグで目にする思わせぶりな平穏は間違いなく惨劇の始まり…2022/07/17
ちょろこ
140
どこまで…⁇の一冊。シリーズ5。何がどうなるかわからないのがこのシリーズの魅力の一つ。解体から救済のテーマで描かれた今作ももちろん、何が?誰が?とかなりやられた感でいっぱい。いや、壊れた感でいっぱい。誰もが身を粉にして捧げた13階。その13階にここまで心を捧げ、壊されるって…壊れるってこういうこと⁇をまざまざと見せられた気分。律子さん家族が痛々しくて今までで一番泣きたくなった。"そこまでやるか⁇"が、"律子さん、どこまでやるか⁈"に鮮やかに翻ったこのラスト。これってこの先何が起きてもおかしくないよね。2022/09/13
モルク
116
十三階シリーズ5弾。十三階を消滅に導いた天音美月は「内外情報調査部」を設立。かつての十三階メンバーは更迭、古池、律子夫婦は国外へ…だが古池は逮捕される。そんな時コロンビアでとんでもない事件が…古池は交渉人となる為に保釈される。今回は律子は留守番か…いや、とんでもない、どんどん崩れていく律子、どこまで堕ちる?目的を遂げるためにはあらゆるものを欺き進むのみ。律子と天音三角関係の結末は?律子が古池を捨てたら悲劇、古池が律子を捨てたら惨劇、この言葉が重くのしかかる。どうする律子、どうなる律子。目が離せない。2023/04/12