夏の体温

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夏の体温

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  • サイズ 46判/ページ数 177p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575244984
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「出会い」がもたらす「奇跡」を描いた全3篇

■「夏の体温」
2002年刊行、瀬尾さんのデビュー作『卵の緒』で描かれたのは、小学生男子の視点で綴った「親子の絆」。それから、およそ20年を経て生み出されたのは、同じく小学生男子の瑞々しい「友情」物語です。瀬尾さんご自身も「久しぶりに小学生の物語を書きました。子どもがいる空間は生き生きしていて、書いている間、とても楽しかったです」とコメントしている思い入れのある表題作です。

<あらすじ>
夏休み、小学3年生の瑛介は血小板数値の経過観察で1ヶ月以上入院している。退屈な毎日に、どうしたっていらいらはつのる。そんなある日、「俺、田波壮太。3年。チビだけど、9歳」と陽気にあいさつする同学年の男子が病院にやって来た。低身長のための検査入院らしい。遊びの天才でもある壮太と一緒に過ごすのは、とても楽しい。でも2人でいられるのは、あと少しだ──。

■「魅惑の極悪人ファイル」
「物語に悪い人がほとんど出てこない」ことがよく知られている瀬尾さんの作品に、どんな悪人が、どのように登場するのでしょうか。瀬尾さんならではの「極悪人」をお楽しみください。

<あらすじ>
容姿にコンプレックスを抱く、内向的な大学生の早智。だが大学1年生の時に発表した小説が文学賞を受賞し、にわかに注目を集める。そして3作目。執筆に苦戦し、それまでの作風とは異なった「悪人」を主人公にした小説に挑む。そのモデルに選んだのが、腹黒いと周りから言われている男子学生、倉橋だった。早智が取材を進めてゆくと……。

■「花曇りの向こう」
中学1年生の国語教科書に掲載された掌編。
この度、単行本初収録作品となります。
装画を手がけた人気漫画家・イラストレーター、カシワイさんの描き下ろし挿絵付きです。 まるで教科書のように、文章と挿絵をあわせて堪能していただけるかと思います。

内容説明

夏休み、小学三年生の瑛介は血小板数値の経過観察で一ヶ月以上入院している。退屈な病院での日々。そんなある日やって来たのが、「俺、田波壮太。三年。チビだけど、九歳」と陽気に挨拶する同学年の男子だった。低身長の検査入院らしい。たちまち打ち解けた二人。壮太は、遊びを考える天才だった!―でも一緒にいられるのは、あと少ししかない。「夏の体温」(表題作)。「出会い」がもたらす「奇跡」を描いた作品集。中学国語教科書に掲載された掌編も収録!

著者等紹介

瀬尾まいこ[セオマイコ]
1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞しデビュー。05年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、08年『戸村飯店 青春100連発』で第24回坪田譲治文学賞、13年に第31回咲くやこの花賞文芸・その他部門受賞。18年『そして、バトンは渡された』で「キノベス!2019」第1位、19年に第16回本屋大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

478
『外に出て遊びたい。早く学校に行きたい…どうしてぼくがこんな目にあうんだ…』。そんな思いの中に『長期入院』の日々を送る小学校三年生の瑛介が主人公となる表題作〈夏の体温〉など三つの作品が収められたこの作品。そこには、瀬尾まいこさんならではの”友情”の有り様が描かれていました。人と人が接する中に浮かび上がる心の機微を感じるこの作品。それぞれに読み応えのある物語世界を堪能できるこの作品。ここまで優しさに満ち溢れた世界が描けるものだろうか?と、瀬尾さんの作り上げる物語世界に改めて感服する他ない傑作だと思いました。2023/08/03

bunmei

386
自分の置かれた立場に対して、少しでも自信をもって歩める後押しとなるような、3つの短編集。表題の『夏の体温』は、瀬尾さんにしては珍しく、小学生の視線で、様々な大人への想いと共に、同年代の子供との友情をテーマにしている。そして、温かで優しい善人が登場する作品が多い瀬尾作品の中で、あえて、周りからストブラと呼ばれる、腹黒い男を2編目で登場させるのも新たな魅力。そして、3篇目は、中学校の教科書にも掲載された、転校生としての心の葛藤が描かれている。どれも最後は、温かな光に包まれる様な、瀬尾作品らしい物語。 2022/05/23

うっちー

373
読みやすい3編でした2022/04/19

ウッディ

349
良い人ばかりが出てくる話しか書けない学生作家の大原さんが、周囲からストブラ(腹黒)と呼ばれる倉橋に密着取材をする「魅惑の極悪人ファイル」が断然面白かった。人付き合いが苦手な大原さんのグイグイ来る感じが笑えてきて、悪人になり切れない倉橋君とのやり取りもユーモアがあり、二人が友達になっていく過程にニンマリしました。悪人を描くことができない主人公は、瀬尾さんの分身なのかな?と思いながら、この話だけで一冊読みたいと思う面白さでした。長期入院している小学生のひと夏の友情を描いた表題作も切なく、面白かったです。2022/11/22

りぃぃ

321
刺激的な本のあとだったから、物足りなさを感じつつも、いつものほんわか、ほっこりな内容で安心して読めました。2022/07/21

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