出版社内容情報
誇り高き宿無しにして食の達人のヤッさんがオモニとともに誰にも何も告げずに突如姿を消した。一番弟子のタカオは二人の行方を捜しはじめるが……。二人の身に何が起きたのか(「ヤスの本懐」)。シリーズ6弾目にして、完結編。涙なしには読めない表題作を含め計3編を収録。
内容説明
コロナ禍をなんとか乗り切ったマリエに大手百貨店が理不尽な要求をつきつける(「マリエの覚醒」)。ヤッさんの一番弟子として何ができるのか…模索しはじめたタカオが「鮨まな」の危機に立ち上がる(「タカオの矜持」)。そして、二人の師であるヤッさんがある日、オモニとともに姿を消す。いったいヤッさんに何が起きたのか。タカオが捜しはじめるが…(「ヤスの本懐」)。シリーズ完結となる表題作を含む3編を収録。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年長野県生まれ。茨城県育ち。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。書店員の熱心な応援により、2001年に文庫化された『床下仙人』が、07年にベストセラーに。同書は啓文堂書店おすすめ文庫大賞にも選ばれた。16年「ヤッさん」シリーズがテレビドラマ化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュール リブレ
85
築地のヤッさん、やはり豊洲の時代には合わなかったのか、はたまたコロナで苦しむ外食産業と共に消えゆくのか?意味深な帯の失踪の言葉通りに永年の伴侶オモニ共々行方不明に。同じくコロナ禍であえぐ神楽坂のマリエ、築地のタカオ夫婦の近況も。ヤッさんの怒鳴り声が聞こえない中でどう動くのかは見もの。シリーズ完結編は最終回らしくてんこ盛りながら、ラストに見せるヤッさんの矜持はいかが?楽しませてもらいました。2021/09/08
ゆみねこ
80
ヤッさんシリーズ完結編。誰にも行き先を告げずに姿を消したヤッさんとオモニ。気に掛けながらも大手百貨店の理不尽な要求と戦うマリエ。ヤッさんを捜索しながら「鮨まな」のピンチを解決するタカオ。姿を消した理由とヤッさんの迷い、誤りを正すタカオ。悲しい別れを乗り越えヤッさんは行く。弟子たちの成長著しい完結編でした。2021/12/13
雅
77
ヤッさんシリーズのラスト。弟子たちの成長が頼もしかったし、爽快さと優しさが受け継がれているのが読んでて気持ちよかった。オモニの事は残念だけどヤッさんは走り続けるのかな⁉大好きなシリーズでした2021/11/03
紫 綺
65
「ヤッさん」シリーズ最終弾。ヤッさんとオモニ、ある日突然消息不明。一番弟子のタカオをはじめ、大勢の弟子や仲間たちが心配して捜すなか、ヤッさんは自分を見失っていた。あ~あ、とうとう終わってしまった…ヤッさんロス💧。2022/02/23
信兵衛
35
ヤッさんに鍛えられた次世代の人たちが、自分の力で危機を乗り越え、さらに人の繋がりを築き広げていく、そんな展開がこれまでの巻以上に爽快。2021/09/17