出版社内容情報
誘拐が七十年続く浅井家の家業。固い絆で結ばれる一家六人だったが、跡目を巡って長兄、次兄が反目しあっていた。家長は決着をつけようと、二人を競わせる課題を出す。それは、ある巨大教団の幹部二人を誘拐し身代金をせしめることだった。この課題が浅井家を二分する争いに発展する――。長編犯罪小説。
内容説明
浅井家の家業は誘拐。始祖が定めた鉄の掟「浅井家十戒」に従い、これまで一度も警察の世話になることなく七十年ものあいだ誘拐業を続けてきた。ところが、家族のなかに微かな不協和音が流れてきた。ともに力をつけた長兄と次兄が一家の主導権を巡り、小さな衝突を繰り返すようになったのだ。見かねた四代目家長の父親は、兄弟にある課題を出す。それは、某巨大宗教集団の幹部二名をそれぞれさらい、先に身代金を奪ったほうを五代目家長とするというものだった。誘拐家族を二分する戦いがはじまる…。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
1966年、大阪生まれ。98年『血塗られた神話』で第7回メフィスト賞を受賞しデビュー。感涙の純愛小説から裏社会を描いたノワール小説まで作風は幅広く、多くの読者の支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
200
新堂 冬樹は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。今回は、ダークグレー新堂、誘拐ファミリービジネス、ヒットシリーズ『ルパンの娘』に触発されて書いたのでしょうか?本書のシリーズ化もあるかも知れません。 https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-24346-8.html2020/12/26
ままこ
99
悪人だけをターゲットする誘拐稼業の浅井家。チームワークが必須なのに家訓を重んじる兄の太陽とクールな弟の吹雪の仲が険悪でギクシャク。そんな中、父親が次期後継者選びとして家族がそれぞれチームに分かれて誘拐対決をすることに。ターゲットは巨大組織の悪徳教祖。敵も味方も誰もが信用出来ない心理戦が繰り広げられる。騙し騙されその結末は…。白新堂さんのエンターテイメント性高いサスペンス。2021/03/02
ちーたん
94
★★★★☆エンタメコンゲーム!浅井家の家業は70年続く誘拐業。一度も捕まった事はなく、ターゲットも悪い奴のみ!そんなファミリーが次に標的にしたのは新興宗教『天鳳教』の幹部の兄妹2名の誘拐。現家長・大地は長男・太陽と次男・吹雪を各々チームリーダーとし、先に身代金を奪った者を後継者にするとして競わせる。2人は掟を破り、足の引っ張り合いを繰り広げる。血を分けた骨肉の争いの行方はいかに?◆黒でも白でもない新堂作品!本来仲間である身内の裏切りでどんどん窮地になっていく様に個性的な面々が雰囲気を盛り上げて楽しめた🎵2021/01/10
さっこ
75
代々、誘拐を生業としてきた浅井家。五代目の跡継ぎを決める段になって長男と次男との確執が。巨大宗教団体教祖の息子と娘を誘拐し身代金を奪った方が五代目となるゲームが始まる。裏切りに裏切りが重なり、展開は早いです。ただお涙頂戴のファミリー愛的な収め方とかイマイチ響かなかった。2021/05/16
やな
42
先祖代々誘拐を家業にする一家。次期当主の座をめぐって、兄弟で骨肉の争いが始まる…。裏切り裏切られの知力を尽くした頭脳戦。というのを期待していたが、結局はいつもの新堂冬樹さんお得意のドタバタ劇場。過去に読んだ作品とシチュエーションは違うが内容はほぼ同じ。けど飽きずに読めたのは作者との相性の問題か。安定してるっちゃ安定しているし。面白さ、並み!2022/05/02