出版社内容情報
きれいなスリム女性が好みな30代童貞・土肥恵太は、ダイエット界では「神」と崇められる伯母の手伝いでダイエット教室のバイトを始める。任せられたのは、途中で教室を退会したリバウンドしているに違いない生徒たちを再入会させること。かつての同僚・小百合とコンビで、さまざまな理由で痩せられない・痩せたいと願う女性達と向き合うことに……。
内容説明
いわゆる家庭的でスリムな女性を好む三十路の童貞・土肥恵太は、ダイエット界では「神」と崇められる伯母に頼まれダイエット教室のバイトを始める。仕事内容は途中で教室を退会したリバウンドしているはずの元生徒を再入会させること。かつての同僚・小百合とコンビを組み、痩せたいと願う女性達と向き合うが…。痩せてキレイになれば幸せなのか？読んだら痩せるかどうかはあなた次第、新ダイエット小説誕生。
著者等紹介
南綾子［ミナミアヤコ］
１９８１年愛知県名古屋市生まれ。２００５年「夏がおわる」で第４回「女による女のためのＲ‐１８文学賞」大賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
145
『男は結局、見た目から入ってそのあと性格を見る。体型以外の条件がすべて同じレベルの女が二人いたら、よりスタイルがいいほう、瘦せているほうが選ばれる』。『ダイエット』に光を当てるこの作品。そこには『童貞』男性を主人公とし、『デブ』女性を準主人公としたからこそ描き出せる舌鋒鋭い物語の姿がありました。コミカルに振り切る南綾子さんの拘りにニンマリするこの作品。最終章に描かれる予想外の物語が後を引くこの作品。『太ってるってことが、女にとってどれだけ重いハンデなのか』という問いの先を描くインパクト最大級の作品でした。2025/02/21
buchipanda3
106
表紙の恰幅のいいおばはんが大暴れ、じゃなくて大活躍のダイエット小説。というか人生応援歌。このおばはん小百合と童貞くん恵太のぶっちゃけた掛け合いが楽しくて笑ってしまった。小百合は最初は強烈だけど読み終えた頃には愛おしさが。ダイエット教室の勧誘をする２人は、食べたることに悩みを持つ女性たちの元へ向かい、あれこれ騒動になるけど最後には見事に解決?!してスカッとさせる。周りがどう見ようと自分で自分を好きでいることが最もその人を輝かせる。コンプレックスを吹っ飛ばしてガハハと笑い飛ばしてしまう話を楽しめた。2019/12/16
sayuri
105
「鬼よりうまいフライドポテト」「ラーメンライスの夜」「バターの快感」「涙の金魚鉢パフェ」「トッポギ・リベンジ」「誰のためのあんこ断ち」「にんにくの効能」「世界を牛耳るチキンドラム」「カップ焼きそば自由闘争」9話収録の連作短編集。ダイエットを通して身も心も美しくなって行く感動物語な～んてものじゃなく、100％コメディです。油断していると迂闊にも何度も声を出して笑ってしまう。外で読まなくて良かった。テンポの良い会話と言葉遊びが楽しい。そしてときたまだけど良い言葉が隠れている。『あたしはなりたいあたしになる！』2019/12/03
鱒子
73
図書館本。 綿密に張り巡らされた爆笑地雷を踏み抜いてドカーン！何度も何度も笑い転げました！さりとてこれは自分と他者への赦しの物語。女は美しい方が価値がある？ならば人間としてはどうなのか？その答えを出すのはもちろん自分。ーー裏表紙のマヨネーズで書いた l love me♡ 女ゴコロに切なく響く心強い小説でした。2019/12/09
さっこ
69
読友さんからのお勧めで手に取った一冊。南さん初読み。なにこれめっちゃ面白かった。会話も楽しいし、恵太の毒満載の心の声がまた楽しい。伯母の経営する「ダイエット教室」でバイトする恵太。誰のために何のために痩せたいのか。「一目惚れ」という言葉があるように見た目上等な世の中に一石を投じる作品（大げさ？）自分が自分を好きでいられるなら無問題。小百合さんのキャラが突き抜けてて愛おしい。2021/12/18
