落花狼藉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 328p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575241990
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

花仍は吉原にある西田屋の女将。主の甚右衛門に拾われた花仍は、店の娘分として育ったのち、甚右衛門の妻になった。十三年越しの願いが叶い、甚右衛門はお上に傾城町を作る許しを得たが、築かれたのは果たして「女の城」だったのか? 江戸幕府公認の遊郭・吉原の黎明を描いた傑作長編小説。

内容説明

戦国の気風が残る、江戸時代初期。葦の生う辺地に、ひとつの町が誕生した。徳川幕府公認の傾城町、吉原だ。公許は得ても、陰で客を奪う歌舞妓の踊子や湯女らに悩まされ、後ろ楯であるはずの奉行所には次々と難題を突きつけられる。遊女屋の女将・花仍は傾城商いの酷と華に惑い、翻弄されながらも、やがて町の大事業に乗り出す―。

著者等紹介

朝井まかて[アサイマカテ]
1959年大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年『実さえ花さえ』(のちに『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と改題)で第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。14年『恋歌』で第150回直木賞を受賞。続けて同年『阿蘭陀西鶴』で第31回織田作之助賞、15年『すかたん』で第3回大阪ほんま本大賞、16年『眩』で第22回中山義秀文学賞、17年『福袋』で第11回舟橋聖一文学賞、18年『雲上雲下』で第13回中央公論文芸賞、19年『悪玉伝』で第22回司馬遼太郎賞、同年、大阪文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

480
「吉原」を造った庄司甚右衛門と妻の物語。幕府と甚右衛門の駆け引きが、壮大なドラマになっていた。「綱紀粛正」を盾に、幕府から「夜見世」(よるみせ=夜間営業)を禁じられたため売り上げが8割減の苦境に立たせられる。まるで、現在の日本を見るような感じ! その時、甚右衛門らは旨い料理で昼の宴会を充実させたり、上方から細工切りができる職人を呼んできたり…生き残りの智恵を絞る。花魁道中も吉原のテーマパーク化の一策だ。「風呂屋」と「湯屋」の違いが描かれたりと、当時の風俗もふんだんに入って、読み応え十二分だった。2024/01/07

starbro

332
朝井 まかては、新作中心に読んでいる作家です。吉原の黎明期、傾城屋(色街の商いをこう言う表現をすることを初めて知りました)大店の女将の一代記、一気読みしました。吉原も幕府にかなり翻弄されていたんですね。中々好い小説でありんす。2019/09/27

いつでも母さん

215
カバーの花魁(日本画家・黒川雅子作)が、花と咲き花と散る女を夢と読ませてくれるのかと思いきや、場所は𠮷原、女は遊女屋の女将・花仍の生涯だった。𠮷原創生期から浅草田圃に移転して繁栄までを、西田屋の天井裏から同じ息を吸っった感じで読んだ。𠮷原の虚と真・・それは女と男の、老いや富の、あの時代のその人々が背負う悲哀と、そこでしか生きられない夢のあとさきをまかてさんが紡ぐ。花仍の周りの人たちがキラリと又、渋く光るのが良かった。中でもトラ婆が印象深い。2019/09/15

とろとろ

167
江戸時代初期の遊郭吉原の誕生と、その後の紆余曲折と変遷の歴史みたい。吉原の創業主の妻となった女性の半生を描いているが、その物語のなかで遊郭のしきたりとか武家社会との兼ね合いとか、著者得意とする庶民の暮らしとか随所にちりばめられて、読む手が止まらなかった。月刊の小説誌に連載されていたものを加筆・修正して単行本化したとある。この小説誌、荻原浩、恩田陸、垣谷美雨 、三浦しをん、湊かなえ、など、まだ単行本化されていない作家の小説がずらりと並んでいたので、これはこれは、先が楽しみになりましたよ(そっちかよ!)。2019/11/08

うっちー

166
ダイバ、ハラスメントの現代ですが、吉原にも文化がありました。2019/10/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14098684
  • ご注意事項