純子

電子版価格
¥1,144
  • 電子版あり

純子

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 259p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784575241914
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

これはうんこの話ですが、本当に美しい物語です--。62歳住所不定、話題作連発の奇才が描く昭和のノスタルジック・ファンタジー。下肥汲みの貧しい家に生まれた美しき少女・純子は、家業を手伝いながら、遊女だった祖母に「男を虜にする女になれ」と手練手管を教わって育つ。いつしか時代は高度経済成長期へ移ろい、村には水資源に大問題が勃発するのだった。

内容説明

四国の辺鄙な里に生まれた純子は「極貧の暮らしから逃れるためには、おまえを蜜の滴るいい女にして高く売るしかないんじゃ」と祖母に言われ、官能的な手練手管を仕込まれて育つ。だが、純子が中学に上がる前にバキュームカーの導入により家業は廃れ始め、さらには里の湧き水が涸れてしまう。皆が生きていくためには水道を引かなければならない―純子はそれを実現させるため、高松の御大尽の愛玩となることを決意するのだが…。過激な昭和のファンタジー小説!

著者等紹介

赤松利市[アカマツリイチ]
1956年、香川県生まれ。2018年「藻屑蟹」で第一回大藪春彦新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

215
子供の頃、父の田舎へ行く度に変な話を聞かせてくれた親戚の小父さんを思い出した…不気味な民話ばかりだが、所々に下ネタや笑いが混ざり、最後は強引にハッピーエンド…本作は時代設定も私の幼少時なので郷愁さえ感じた。とは言っても糞の嵐なので、懐かしさと共に肥溜めの匂いまで蘇り閉口。それなのに段々と馴らされ、途中からは声をあげ笑ってしまったし、純子の行動力に惚れ、昔話のような展開にワクワクした。非常に珍しい「スカトロ・ブラックコメディ・ファンタジー」として著者の非凡さを表現していた。でも、人には勧められない(苦笑)。2019/09/26

いつでも母さん

201
赤松さんだもの覚悟して真面目に真剣に読んだ。あゝ最後まで読み切った自分を褒めてやりたい。『汚くて過激な昭和のファンタジー小説です。』の帯は正しかった。私の記憶にある昭和の風景には肥溜汲みのオバサンがいた。その次の記憶ではバキュームカーのお世話になった。その頃オバサンは「鼻が利かなくなった」と言っていた・・生きてる限り人は食い、そして出すのだ。今作は、これを読ませるか~!ってそれだけを感じた。担当編集者の「読後の爽快感と満足感は唯一無二の体験です」は、どうだろ?2019/08/08

おしゃべりメガネ

174
う〜ん、コレはかなりの衝撃作ですね。レビューの書きようがなく、困っています。赤松さん作品はどれもかなりのインパクトですが、本作のインパクトレベルは完全に別次元のモノになります。とにかくひたすらウ○コの話です。もちろんそれ以外の話もありますが、基本的に終始ウ○コのネタを中心に展開します。なのでそのテの話がニガテな方はどうか決して無理せず、本作は避けたほうがよいかなと。決して読後感が間違っても爽快とはなりませんが、不思議と最後まで読みきらせてしまう赤松さんの筆力に脱帽です。いや、マジでぶっ飛んだ作品でしたね。2019/09/06

モルク

135
糞尿を集め処理することで生計を立てている母方の祖父母、叔父と暮らす純子。バキュームカー、家畜の糞や人糞ではなく人工肥料による農業へと、一家はさらに貧困に…。3人のお坊っちゃんたちと彼らの女神となる美貌の純子。そして村の生命線である水の枯渇から村を救う純子の活躍。…が、すべてう〇こなしではこの物語は成立しない。乞食坊主のはなしはその中でも群を抜く。ここまできたか。おすすめ本?うーん…2019/11/28

のぶ

120
この本に描かれているのは紛れもなく昭和中期の世界だった。自分の幼少期に微かに描かれているような事に記憶がある。本の帯に「覚悟して読んでください」とあったが、読んでみてその意味が良く分かった。とにかく糞尿の描写が多く、食事の前に読む事はとてもお勧めできない。そんな環境に生まれた純子は母が井戸に身を投げて死んでしまい、家業を手伝いながら、遊女だった祖母に育てられて成長していく。本書を一言で表現すれば、とても汚らしい小説。それは我慢するにしても、純子の人物造詣が汚さにかき消され薄くなっていたことが残念だった。2019/08/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13955030
  • ご注意事項

最近チェックした商品