出版社内容情報
竹内 真[タケウチ マコト]
著・文・その他
内容説明
開祖が吹いたホラ話で山を高くした褒美に、殿様から姓を賜ったという洞山家。その末裔である洞山真作は、30歳、現在無職。法事で帰省中に親戚たちに煽られ、ついベンチャー起業を宣言してしまう。でまかせだったのに「大言壮語は洞山の男の甲斐性」と、やんやの喝采を浴び、勢いのまま起業という荒波に漕ぎだすことに…。一族に語り継がれてきた数々の昔話を胸に、真作は幾多の困難に立ち向かっていくが―。戦国から平成まで縦横無尽なホラ話。痛快!エンターテイメント起業小説。
著者等紹介
竹内真[タケウチマコト]
1971年生まれ。慶應義塾大学卒業。95年に三田文学新人賞、98年「神楽坂ファミリー」で第66回小説現代新人賞、99年『粗忽拳銃』で第12回小説すばる新人賞、2013年『カレーライフ』で京都水無月大賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そうたそ
39
★★☆☆☆ まさかこのタイトルを見て「法螺」+「ベンチャー(起業)」のことだとは分かるまい。全く繋がらなさそうな二つの事項をうまい具合に合わせて一つの話に仕立てあげている辺り巧いとは思う。現代から過去に遡り語られる一族の話も盛り沢山で良く言えば飽きることのない構成。一方で、詰め込みすぎて読んでいて疲れを感じたというのも事実。結局二つのものを一つにしようとした結果話がくどくなりすぎている感じがあり、それなら結局「法螺」メインあるいは「ベンチャー」メインで良かったのではないかとも思うのだが……。2016/05/10
ダミアン4号
35
竹内作品は久しぶり…竹内氏は本当に親戚とか大学時代の友人という人間関係がお好きなんですね(笑)洞山家…先祖代々“ほら話”で“立身”してきた一族の青年が30代にしてリストラに合い法事の席で「企業する!」と宣言した事から始まるベンチャービジネスサクセス(?)ストーリー…主人公の物語とご先祖様の物語とが交互に語られ「先祖達はこうして危機をチャンスにした」的な展開でお話は進みます。出来過ぎたストーリーという感は拭えませんが企業を夢見てその実現に努力する様、弱点を突かれた時ただ凹むのではない姿勢に好感を感じました2016/07/03
はるき
27
竹内節、全開でした。見栄が雪だるま式に大きくなって、一族を巻き込んだおお騒動に。お仕事小説かと聞かれたら正直?だけど、エンタメとして楽しい出来でした2016/11/03
信兵衛
17
ベンチャー起業というビジネスストーリィの読み応えに加え、昔話を読む面白さあり。+少々謎解き要素。2016/04/30
遠い日
15
洞山一族の壮大なホラ話と、リストラされた洞山真作の口からひょいと出たホラが重なり合って、ベンチャー立ち上げ、経営まで迫るお仕事小説。竹内さんらしい細かなプロット、先祖のホラと真作のホラがぴたりと嵌るまで練り上げたストーリーは、過去と現在が交錯し、ホラ話の深さ、広さを楽しめる内容。ホラは吹いてもやるときゃやる!真作の成長も頼もしい。2016/09/14