出版社内容情報
心に傷を負った人間たちが、『珈琲屋』で語る様々なドラマを七編収録。連続ドラマ化もされた、『珈琲屋の人々』シリーズ最終巻。
内容説明
人を殺した過去を持つ『珈琲屋』の主人・行介。行介のかつての恋人で、婚家を飛び出した冬子。人生の喜びと苦しみを味わった二人の心情を軸に、人間の狡さや優しさ、そして、愛を描いた連作集。
著者等紹介
池永陽[イケナガヨウ]
1950年愛知県豊橋市生まれ。岐阜県立岐南工業高等学校卒業。グラフィックデザイナー、コピーライターを経て、1998年『走るジイサン』で第11回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2006年『雲を斬る』で第12回中山義秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
161
珈琲屋の人々「宝物を探しに」。さびれゆく商店街で人を殺した過去を持つ「珈琲屋」を営む行介の元に、様々な悩みを抱えて人が珈琲を飲みにやってきて熱い珈琲を入れる行介の手と珈琲に癒やされる人。行介と冬子さんがなかなか癒やされませんね、ちょっと不満です。2015/12/12
おしゃべりメガネ
156
シリーズ3作目で何がどうというワケではありませんが、濃すぎない人情感が居心地のいい作風です。過去に人を殺めてしまった珈琲屋のマスター「行介」と幼馴染み「冬子」、プレイボーイの「島木」と中心となる人物に変わりはなく、安定した布陣です。相変わらず「冬子」との関係に煮え切らない「行介」ですが、その煮え切らなさがまたリアリティが滲み出ていて、ついつい引き込まれてしまいます。話の展開は連作集の流れなので、それぞれの人情ミステリーがいれたてのコーヒーのように温かくもあり、適度な苦みもあり、しっとりとした味わいでした。2015/09/12
ぷう蔵
74
人にはそれぞれ宝物がある。公言して憚らない人もいれば、ずっと心に秘めたままの人もいる。だが、実は何が自分にとっての本当の宝物なのかは分からないものなんじゃないかだろうか。時間が過ぎ去って、歳を重ね省みて初めて気付くものなんじゃないかと…。走り続ける間は、その対象は日々変わっていくだろう。新たな宝物(と思うもの)に出くわして心動かされ、今まで守って来たものを大切に思い踏み出さず、いろんな葛藤と矛盾の間で思い悩む。その時々に、その時々の宝物はあるんだと思う。そして最後に本当に本当の宝物を見つけるのであろう。2018/07/02
ゆみねこ
72
珈琲屋シリーズ第3弾。行介のお店を訪れる人はみな心に問題が…。今回も男と女の悩みが。古本屋の夫婦の話が切なかったですね。冬子の母典子さん、ちょっと嫌な感じでした。ようやく行介と冬子の未来が見えて来ましたね。2015/10/14
マッツ
66
シリーズ三作目。楽しみにしていて、即読みでした。冬子とのじれったい恋も少しづつ近づいてきて、四作目が待ちどうしいですね。2015/09/10
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