出版社内容情報
東北の寒村・不亡村に、古くから伝わる「三つの奇跡」。調査に訪れた探偵の海老原浩一は、術を操る糸瀬家に翻弄される。一方、「奇跡」と同時刻に、東京で不可解な連続殺人が発生。警視庁捜査一課の鴻上心が捜査にあたる。被害者には不亡村との繋がりがあった。海老原は鴻上とともに、怨念渦巻く村の歴史と謎の解明に挑むのだが……。
内容説明
面妖な術を操る一族、忽然と消えた少女、故郷を捨てた夫婦を襲う不幸。「風」の名探偵と生真面目な捜査官が怨みの村の謎に挑む!震撼の結末が待つ長編ミステリー。
著者等紹介
小島正樹[コジママサキ]
埼玉県生まれ。2005年、島田荘司との共著『天に還る舟』(南雲堂)でデビュー。08年『十三回忌』(原書房)で、単独デビューを果たした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
354
初期の作品に比べて大人しいのは確かだが、トータルの出来としてはシリーズ中1,2を争うくらい好きかもしれない。千里眼・予知・呪殺のオチは相変わらずやりすぎというか都合良すぎ。ラストの引っくり返し方が割と楽しめたのと、海老原の幼稚さが消えてきたのが良点。タイトルのおどろおどろしさから期待して読んでしまうとそれほどでもなく、人物のパンチの弱さにガッカリするかもしれない。海老原シリーズは7作で完結予定との事なので、いよいよ次は最終作で海老原自身の事件になるのだろうか。ようやく乗ってきたところなのに勿体ないような。2017/09/22
ダイ@2019.11.2~一時休止
112
海老原浩一その7。千里眼・予知・呪殺の術を操る一族の謎と、その土地から出て行った夫婦殺人事件の謎を解く。いつものごとくの詰め込みすぎで楽しめるが鴻上とか雫美の新キャラ必要?2016/08/09
瑞佳
44
“憑き物筋”と聞くだけで身体が震えるほどコーフンするのですが、それほどがっつり民俗学的に絡んではいなかったような印象。しかもあれほどの三つの奇跡を起こしてみせた俊一郎の影の薄さ加減がちょっぴり気の毒。神がかり的な偶然を利用した密室殺人もさることながら、瞬時にあれだけのトリックを捻り出せるあの犯人の機転の利き方って、ほんとただ者じゃないわ。理論的には可能かもしんないけど、数々のムチャブリトリックに「ンなあほな~」とツッコミつつも楽しく読了。ただ探偵がちょっといけ好かないのよね。2017/07/05
雪紫
34
シリーズ探偵、海老原の両親の死に他殺の疑いが。彼を慕う恩師の娘がついていき、「憑き筋」の家がある村に向かう。一方ある夫婦を襲った連続殺人を追う鴻上管理官もその村に導かれていきーー。このシリーズにしてはどんでん返しの連鎖に反してトリックはおとなしめだけど「凄い笑み」の意味がわかった時はうわぁ、となってしまう。しかし、ヒロインはてこ入れ要員感が強いのは気のせい? むしろ鴻上の方が生真面目過ぎる分キャラが立ってたような・・・?2020/05/08
あっちゃん
28
以前に比べると奇抜さは押さえられているけど、それでも、普通の感覚で言えば無いでしょソレ!レベルのトリックに安心感(笑)毎度懐かしい横溝正史的な雰囲気を楽しみながら読了!2017/10/27




