死んでも負けない

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  • サイズ B6判/ページ数 165p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575238006
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

祖父はビルマ戦の帰還兵で、口を開けば戦争中の自慢話だ。当時4歳だった僕にイギリス兵を素手で殺したという話や、自分が現地の娘にモテたことなどを、得意満面に語る。いいかげん聞き飽きたが、話を聞かないと鉄拳制裁が待ち受けている。我が家の生活もすべて祖父の意志が大優先だ。その祖父が倒れて入院した。そしてベッドの上で、あり得ない言葉を呟いた…。

著者等紹介

古処誠二[コドコロセイジ]
2010年、第3回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

38
戦争、戦時下の状況をリアルに描き、なおかつ、小説としての盛り上がりのある古処誠二の作品は好きだ。ビルマ戦線で戦った傲慢な祖父の事あるごとに繰り返される自慢話、そんな祖父にかしずかざるを得ない父と息子。らしくないユーモラスな作品。祖父の話の中には多くの真実があり、読みやすい構成の中で、戦争のことを知ることができる。いつものように、後半に向かって何があるのかと期待したが、残念。それに、買ってきた10個もの雪見大福を孫に一つもあげずに全部平らげてしまうおじいさんて、どうよ。2019/01/05

RIN

34
古処さんがユーモア小説?と思ったけれど、今までそんな気配が全くなかったにも拘らず全然意外ではなかった。思いの移ろいを言葉で表現することが秀逸な作家さんだし。行動や情景で笑わせるのではなく心情で〝おかしみ”を表現するところが古処さんらしさ全開だった。中身はやっぱりあの戦争(笑)。そしてやっぱりビルマ(笑)。身近な人から戦争体験を直接聞く機会がなかった世代としてはこんな祖父と暮らしていたらどんな感じだっただろう?としばし思いを馳せた。生還した人にもいろいろな思いがあったのだろうとちょっと切ない気持ちにも。2014/11/24

おかだ

33
終戦の日に合わせて。良くも悪くも、今まで読んだことのない戦争小説だと感じた。己が抱いていた、戦場を生き抜いた戦争体験者に対するイメージは押し付けであって、もちろんこういった価値観もあるのだなあ、と…。これも貴重な戦争の生きた記憶。しかし久しぶりにこういう軽いタッチの古処さんの作品を読んだ気がする。初期の自衛隊シリーズのコミカルなやりとりを思い出した。ああいうのもまた読みたいなぁ。2016/08/15

おかむら

31
家族ユーモア小説の体で書かれた戦争小説でした。古処さんこういうのも書くんだなー。読みやすいけれどもやはりちょっと物足りない感。ジュニア向けかな。2016/09/11

26
こう言うのも何ですが面白かったです。じいさんの頑固さと主人公のちょいちょい挟んでくる心の声のツッコミが絶妙。じいさんみたいな頑固な元軍人さんは戦争経験のことは口を閉ざす方も多いと思います。身内なら鬱陶しいかもしれませんがこんなにも戦争を語ってくれる事を羨ましく思います。今まで読んだ本は我々の世代が先人に対して申し訳ないと思わないといけないと強く感じましたがこの本はじいさんが先人、後の世代へ謝罪の意を表します。戦って下さったのに謝罪?と思いましたが納得です。そして感謝の気持ちが私の中で更に強く起こりました。2013/09/12

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