内容説明
父親の秘密を見つけた女子高生の日記「トロフィー」母の死を引きずる43歳独身男性の日記「道化師」姉妹で同居している結婚を控えた姉の日記「サムシング・ブルー」熟年夫婦の日常を記した夫の日記「夫婦」。まったく無関係な4人だが、本人たちも気づかぬところで、実は不思議な繋がりがあった…。
著者等紹介
永井するみ[ナガイスルミ]
1961年東京生まれ。東京芸術大学中退、北海道大学卒。96年「マリーゴールド」で第3回九州さが大衆文学賞、「隣人」で第18回小説推理新人賞『枯れ蔵』で第1回新潮ミステリ倶楽部賞を受賞。2010年9月3日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっさん
221
★★★★ 再読。手記が主体となる作品は叙述トリックを覚悟すべきだね。個人的に〝イヤミス女王〟は湊かなえではなく永井するみ。特に「道化師」の結末はドン引きレベル。これが遺作だが、つくづく夭逝が惜しまれる。2018/01/04
さてさて
198
他人の日記を読む違和感、拒絶感、そして覗き見しているような罪悪感。他人の日記を読むという行為にはそんな様々な感情が沸き起こるのを改めて感じます。しかし、それこそが永井さんの意図するところです。あなたが素直にそんな感情の中でこの作品を読めば読むほどに、あなたはすっかり永井さんの術中にはまっていることに気づかされます。でも一方で、あなたが他人の日記を読むという感情に素直であればあるほどに、永井さんが用意された鮮やかなまでの”どんでん返し”の妙を堪能できるこの作品。永井さんの遺して下さった素晴らしい作品でした。2021/10/09
milk tea
112
日記形式のミステリー要素入りの連鎖短編集。4人が最後に繋がるのかと思ってましたが、この本が遺作となってしまったため、続きがあったかどうかも不明。日記というものは秘密めいたものですが、ここでは盗み読みされたり、わざと読ませるように仕掛けたりされます。知られたくない日記は書かない方がいいですね。心の中にそっとしまいましょう。2017/10/22
yanae
95
こちらも読メ始めた当初からの積読本。読めてスッキリ。だけど、相反して内容はドロドロのブラックな感じ(笑)こわいこわい~。けどうまいうまい~。特に姉妹と親子の話は最後にひぃぃとなりました。あくまで個別の短編なのだけど、それぞれの日記にほかの登場人物がリンクしていて、それも面白い。明るい話ではないけど、ぞわっとしたい人にはお勧めの一冊です。永井さんはどれもこんな作風なのかしら?初作家さんでした。2019/02/04
くろにゃんこ
78
短編4つ・・・少し登場人物に繋がりが。なるほど・・・日記というのは書きようによっていくらでもミスリードできるからなぁ(^_^;)これが永井さんの最後の作品なのですね。遡って読んでみたいと思います。2016/10/23
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