内容説明
日本軍の侵略に揺れる中国大陸。抗日の女馬賊・柴火と、曠野に夢を描き戦場を駆け巡る伊達順之助。幾度も干戈を交えたふたりに、ついに宿命の対決のときが迫る。疾風怒涛の時代冒険活劇。
著者等紹介
樋口明雄[ヒグチアキオ]
1960年山口県生まれ。明治学院大学法学部卒業。雑誌記者を経て、87年『ルパン三世/戦場は、フリーウェイ』でデビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞と第12回大藪春彦賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
18
しびれました!!! あまりの格好良さにハートがしびれたのですが、終盤泣けて泣けて…頭もジ〜ンとしびれました(笑)。 女馬賊・柴火と満州国軍将校・伊達順之助を中心とした、「中国ウェスタン」三部作の完結編。 泥沼の日中戦争の中で、己の信念や義を貫いて生き、倒れていった、多くの人々の姿を忘れません(泣)。 戦争に英雄は不要ですね。 竜(柴火)虎(伊達)の最終決着のシーンは、とても静謐な美しさ。 そして、鷲(鶴岡軍兵衛)の強さにほれぼれ…。格好良すぎです☆ 2012/05/08
しゅ
5
樋口明雄さんの作品は天空の犬シリーズしか知らなかったので、別の作家かと思った。 近代まで生き残っていた馬賊やガンマンの活躍する世界、を堪能した。 前編があるようで、そちらを読んでいたら、鶴岡と柴火の復活のシーンに共感できたかもしれない。2人ともあり得ないくらいの強さの活躍だけど、西部劇のようなこの時代に似合っていた。2020/10/31
外道皇帝
3
いよいよ完結編。死地をくぐり抜けてただ生きているだけの抜け殻となった柴火が拾われたのはまたしても馬賊の村。中盤までは抜け殻となった柴火にやきもきもしたけれど鶴岡という新たなキャラを迎えて終盤はまさしく中国ウエスタン。因縁の伊達順之助との最終対決まで一気読みでした。読み終えるのがもったいない。間違いなく今年のNO1。2012/05/14
よしだ まさし
2
樋口明雄『竜虎(ろんふー)』双葉社を読了。『頭弾』『狼叫』に続く、満州馬賊を題材にした冒険活劇小説である。この第3作が出るまでさんざん待たされ、待つ間に期待感はいやがおうにも高まっていたのだけれど、その過剰な期待感をも充分に満足させる素晴らしい作品に仕上がっていた。とにかく、めちゃくちゃ面白いのだ。読んでいる途中で残りページの厚みを確認して「ああ、あとこれだけ読んだら終わっちゃうよ。どんどん読みたいけれど、もったいなくて読み終えたくないよ」と、何度思ったことか。前半はじっくりと物語を進めていって、中盤から2012/04/29
冬薔薇
1
図書館にある樋口作品を片端から読んでいるところ。続き物とは知らなかったがこれだけで充分楽しめた。まさに表紙絵のごとくチャイナウェスタン。日中戦争時、中国東北部、砂塵舞う荒野を舞台に繰り広げられる活劇。夢と野望を抱く男たち、女馬賊、抗日馬賊、賞金稼ぎ、探偵たちの馬と銃と剣の死闘。伊達のラストシーンに柴火が来るかと一瞬思ったが、そんなわけないか。面白い読み物だった。2017/08/25